— 01 —ニュースの概要
日経クロストレンドは、連載「CEPで読み解く ブランド戦略の新常識」を全5回で掲載している。CEP(カテゴリー・エントリー・ポイント)とは、ある状況でそのブランドが思い出されやすくなる文脈のことだ。連載では、X上に投稿された生活者の発話を分析し、ブランドがどんな場面で想起されているかをデータで可視化している。
題材はポッキー、プリッツ、トッポといったスティック菓子や、コンビニの揚げ鶏など身近な商品だ。同じカテゴリーに属するブランドが、それぞれ異なる文脈で選ばれている様子を、SNS分析とメンタルアドバンテージスコアを組み合わせた手法で示している。認知度や好感度だけでは見えない差を、想起の文脈から読み解く試みとして位置づけている。
じつは「うちのブランド、どんなときに思い出されてます?」と聞くと、社内でも答えがバラバラなことが多いんですよね。そのズレに気づくだけでも、けっこう前進だと思います。
— 02 —似た商品の差は、選ばれる場面に表れる
スティック菓子はどれも手に取りやすい価格で、形も近い。それでも生活者の頭の中では、それぞれが別の場面と結びついている。この連載が教えてくれるのは、ブランドの差が機能やデザインより手前の、思い出される瞬間に宿っているということだ。
ブランドの議論は、ロゴやトーンといった見せ方に寄りがちだ。けれど生活者が実際にブランドを選ぶのは、休憩中、移動中、誰かと分け合うときといった具体的な場面である。どの場面で自社が思い出され、どの場面では他社に譲っているのか。それが分かれば、強みを伸ばすのか、新しい場面を取りにいくのかという判断に筋が通る。
生活者の自然な発話をデータとして扱う手法も前向きに受け止めたい。アンケートで聞く「好きなブランド」と違い、日常の投稿には、ブランドが生活のどこに置かれているかがそのまま表れる。
— 03 —と、いうことで。
まず、自社ブランドが思い出される場面を5つ書き出してほしい。「仕事の合間に」「手土産を選ぶとき」のように、時間・場所・気分・同伴者で表す。次に、同じ場面で思い出される競合を横に並べる。書き出せた場面が少ない、あるいは競合と重なってばかりなら、そこが次に打つ手の出発点だ。社内の想像で終わらせず、SNSの投稿や顧客の声から実際の言葉を5件ずつ拾い、仮説と照らし合わせるところまでやれば、議論の土台ができる。
- 自社が想起される場面を、時間・場所・気分で言語化する
- 同じ場面で思い出される競合を並べ、重なりを把握する
- 一番に思い出されたい場面を一つ決め、施策をそこに揃える