— 01 —ニュースの概要
日経リサーチが、企業ブランドを業種横断で測る調査「ブランド戦略サーベイ」を2026年9月に刷新した。評価対象は600社から1000社へ広がり、生活者とビジネスパーソンを合わせて約16万人が回答する規模になっている。総合の首位はトヨタ自動車だった。
変わったのは規模だけではないらしい。長く使われてきたPQ(知覚指数)に代わって、NBES(Brand Equity Score)という新しい指標が導入され、事業や購買への寄与を見る分析、BtoB側のビジネスパーソン調査も厚くなった。単年度での刷新なので、前年と並べて時系列で追えるのは2027年版からになるという。元記事は首位企業の名前を掲げながら、見出しに新指標での調査であることを置いて、物差しが入れ替わったこと自体を報じている。
正直、この手のランキング記事はいちばん最初に自社の名前を探してしまうんですよね。で、去年より上か下かで一喜一憂して閉じる。今年みたいに物差しごと変わった年は、そこを比べても仕方ないのですが。
— 02 —物差しが変わった年の、順位の読み方
ランキングは順位を確かめるために読むものだと思っている。自社は何位で、あの競合は何位か。ただ指標が入れ替わった年は、その読み方があまり効かない。前年と同じ物差しで測っていないのだから、上がった下がったの話が成立しない。代わりに読みどころになるのは、調査する側が何を評価に入れると決めたかのほうだ。
600社から1000社へ広げるというのは、比較の土俵が広がるということでもある。同業のなかでの相対位置しか見ていなかった会社は、業種を跨いだ並びのなかに置き直される。ビジネスパーソン側の調査を厚くしたのも、BtoBの会社にとっては測られ方が変わる話だ。そして事業や購買への寄与を見にいくというのは、ブランドを認知の量ではなく、選ばれる理由の側で捉えようとする動きに見える。
ここで外部の指標に自社の目標を合わせにいく必要はない。むしろ順番は逆で、外の物差しが動いた年は、自社が何をブランドの成果として数えているかを見直す機会になる。認知率と好意度を並べて終わっている会社は多い。それが悪いわけではないけれど、見た目の手前で起きていることは、たとえば値引き要請を断れた件数や、内定辞退率のほうによく出る。ブランドが効いているかどうかは、そういう数字が先に教えてくれる。
— 03 —と、いうことで。
まず、自社が今ブランドの成果として数えている数字を、紙一枚に全部書き出す。認知率、好意度、指名検索、SNSのフォロワー数。並べてみると、たいてい五つも六つも出てくる。
そのうえで、一つずつに「この数字が動いたら、経営のどの判断が変わるか」を一行で書き添える。書けないものは、見ているだけで使っていない数字だ。今期は落としていい。残ったものが二つか三つになったら、それが自社の物差しになる。外部のランキングは、その物差しが世の中の見方とどれくらいずれているかを確かめる参照として使う。順位そのものを目標にはしない。
- ブランドの成果として数えている指標を、全部紙に書き出す
- 各指標に「動いたら何の判断が変わるか」を一行で書き添える
- 判断に効かない指標は落とし、残った二〜三個を自社の物差しにする