— 01 —ニュースの概要
ポッカサッポロのスープブランド「じっくりコトコト」が、2026年8月で誕生から30年を迎えた。日経クロストレンドは、スープ市場に味の素「クノール」という王者がいるなかで、このブランドが不動の2番手として支持を積み上げてきた経緯を取り上げている。これまでに出した商品は累計300種類を超える。
記事は、後発ブランドとしての試行錯誤と、新商品を次々に投入してきた姿勢を「攻めすぎ戦略」と呼び、2番手であり続けるためのマーケティングとして位置づけている。
じつは、冬になると新しい味が並んでいるのを見つけるのが、ちょっとした楽しみなんですよね。あの安心感とワクワクの両立こそ、30年の積み重ねなんだと思います。
— 02 —攻めの量と、ブランドの一貫性は対立しない
商品数が300を超えると、普通はブランドの輪郭がぼやけるのではと心配になる。それでも30年続いているという事実から読み取れるのは、変える部分と変えない部分の線引きが早い段階で決まっていたということだ。味や素材、季節の企画は大胆に変える。一方で、名前が約束する「手間をかけた温かさ」という価値は動かさない。軸が固定されているから、表層でいくら試しても顧客は迷わない。
2番手という立ち位置も、この運び方と相性がいい。王者と同じ土俵で正面から張り合うより、試す回数で学習を積むほうが後発には効く。新商品の一つひとつが、顧客が何に反応するかを確かめる実験になる。当たったものは定番に残し、外れたものは静かに入れ替える。
ブランドを守ることと、新しいものを出し続けることは、どちらかを選ぶ話ではない。判断基準としてのブランドが言葉になっていれば、攻めの量はむしろブランドを強くする材料になる。
— 03 —と、いうことで。
まず、自社の商品やサービスについて「絶対に変えないもの」と「毎回変えてよいもの」を一枚の紙に二列で書き分けてみてほしい。変えないものは三つ以内に絞る。そのうえで、直近一年に出した施策や新商品を並べ、変えないものの列に抵触していないかを確かめる。抵触が多ければ軸が言葉になっていない証拠で、少なすぎれば変えてよい側でまだ攻める余地がある。どちらに寄っているかが、次の一年の打ち手の分かれ目になる。
- 変えない価値を三つ以内に絞って言葉にする
- 新商品や施策が、その軸に沿っているかを点検する
- 後発は正面勝負より、試す回数で学習を積む