わ
表現

ワードマーク

Wordmark

名前そのものを図案化したロゴ形式。象徴図形を持たず、名前の可読性と記憶しやすさで勝負する。

意味

ワードマークとは、ブランドの名前そのものを図案化したロゴ形式を指す。象徴的な図形を用いず、名前を構成する文字の姿だけで識別を成立させようとするものである。

図形のシンボルを持たないぶん、名前の可読性と記憶しやすさが勝負どころとなる。文字の形・間隔・全体の印象を丁寧に調整し、名前を読ませながら、その姿で覚えさせることを狙う。

文字を図案化するという点でロゴタイプと重なり合う概念であり、両者はしばしば近い意味で用いられる。図形マークと組み合わせずに、名前だけで立てる設計を指す語として使われることが多い。

成り立ち

「ワードマーク(wordmark)」は、「言葉・単語」を意味するwordと、「印・標」を意味するmarkが結びついた語で、字義どおり「言葉でできた印」を表す。名前そのものを識別の標として用いるロゴ形式を指す言葉として定着した。

ワードマークとロゴタイプの違い

呼び分けの実態は現場によって揺れるが、力点の置き所は異なる。ワードマークは図形を伴わず名前だけで立てるという構成の選択を指し、ロゴタイプは文字を図案化するという処理そのものを指す。選択の話か、処理の話かという違いになる。

どちらの語で呼ぶかより、運用の前提が共有されているかが実務では効く。図形と併用しない前提なら、名前が単独で置かれる場面をすべて想定しておく必要がある。小さな表示や横長の枠に収まるかは、その前提から逆算して検討する対象になる。

ロゴタイプの項へ →

ワードマークとシンボルマークの違い

図形の印を持たない選択は、覚える手がかりを名前に一本化することを意味する。名前が短く、読みやすく、他社と紛れないなら成立しやすいが、長い名前や一般的な語を含む名前では、名前だけで識別を担う負担が重くなる。

判断の軸は、接触の長さにもある。じっくり読まれる場面が多いなら名前だけで足りるが、一瞬しか視界に入らない場面が多い接点では、図形のほうが速く伝わる。どこで最も多く目に触れるのかを先に確かめてから決める形になる。

シンボルマークの項へ →

使いどころ

「ワードマークで展開する」といった形で、図形の印に頼らず名前だけでブランドを識別させる設計を選ぶ場面で用いられる。シンボルマークを併用するか、名前一本で立てるかを検討する際の選択肢として語られる。

実務でのチェックポイント

  • 名前を他社の名に差し替えて同じ処理を施し、そのまま成立しないかを試す。成立するなら固有の姿になっていない。
  • 一瞬しか目に触れない接点を挙げ、そこで名前が読み取れるかを実際に使う大きさで確かめる。
  • 各部署が使っている表示物を集め、名前の前後に独自のあしらいが足されていないかを見る。
  • 略称と英字表記を併用しているなら、名刺・看板・ウェブのそれぞれで主に立てる表記を一つ決めておく。決め手がないまま運用が続くと、媒体ごとに違う姿が出回り、名前で覚えさせる設計が崩れる。

よくある誤解

図形を作らないぶん費用も手間も軽い、と受け取られやすい。実際には手がかりが名前だけになるため、文字の調整に求められる精度はむしろ上がる。一文字ずつの間隔や形の癖で識別を成立させることになり、既存の書体を並べただけでは役目を果たさない。

名前だけで立てると決めた後、場面ごとに図形やあしらいが足されていく崩れもよく起きる。追加された装飾がその都度違えば、名前へ一本化したはずの手がかりが分散する。併用しない前提を選んだなら、その前提を守るための取り決めが運用の側に要る。

よくある質問

ワードマークとシンボルマークはどちらを選ぶべきですか?

名前がどれだけ知られているかで答えが変わる。認知が薄いうちは、読めば社名がそのまま伝わるワードマークのほうが、相手に手がかりを渡せる。名前が通り、アイコンや小さな枠での短い接触が増えてきた頃に、図形の印を足す判断が現実味を帯びる。順序を逆にすると、図形が何を指すのかを覚える材料が渡らないまま置かれる。

後から図形マークを追加してもよいですか?

追加できる。名前で識別が成立した後に図形を足す流れには無理がない。ただし追加した時点から、名前と図形の組み方を一通りに定める必要が出てくる。組み方を決めずに足すと、接点ごとに違う並びが生まれて識別が分散する。

英語表記と日本語表記の両方を作るべきですか?

両方を使う場面があるなら作ることになるが、主従を決めておく形になる。どちらも同格に扱うと、接点ごとに違うほうが現れ、覚える対象が二つに割れる。使い分けの条件を先に定め、例外を認める基準まで書いておく対象になる。

この項目は、ブランディング支援会社 Highlite Inc. 編集部が執筆・監修しています。
← 用語集の一覧へ