か
体験

口コミ

Word of Mouth

人から人へ自発的に伝わる評判。広告と異なり、送り手の利害を離れた情報として受け取られやすい。

意味

口コミとは、人から人へ自発的に伝わる評判や体験談を指す。企業が発する広告とは異なり、利害から離れた第三者の声として受け取られやすく、信頼されやすい性質を持つ。

口コミは、良い体験だけでなく悪い体験も伝わる。満足が推奨として広がる一方で、不満が警告として広がることもあり、企業が完全に制御できない情報の流れである。

近年は、対面での会話に加え、インターネット上での投稿やレビューを通じた電子的な口コミが大きな比重を占めるようになった。伝わる範囲と速さが以前とは大きく変わっている。

成り立ち

口コミは「口」と「コミュニケーション」を組み合わせた語で、人の口を通じて伝わる情報を指す言葉として定着した。

受け手同士のつながりが評判を左右するという認識の高まりとともに、企業が意図的に扱うべき情報の流れとして意識されるようになった。

口コミとeWOM(電子口コミ)の違い

対面の口コミは知っている相手との会話の中で生まれ、その場で消える。eWOMは書き残され、見知らぬ相手にも読まれる。信じられる根拠も入れ替わり、前者は相手を知っているから信じられ、後者は数が集まっているから信じられる、という具合になる。

打てる手も分かれる。書かれたものには目を通して応答できるが、会話の中で交わされた評判は観察も応答もできない。数えられる側だけを見て評判の全体を把握したつもりになると、数字に現れない不満を取りこぼす。

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口コミとアドボカシーの違い

アドボカシーは、ブランドを進んで擁護し薦める立場そのものを指し、口コミはそこから出てくる発言も、薦める意思のない人の何気ない言及も含む広い現象である。担い手の姿勢まで問うかどうかで、指している範囲が違う。

実務では、誰の発言かを見分ける軸として働く。特定の人が繰り返し薦めている状態と、多くの人がそれぞれ一度ずつ言及している状態は、どちらも口コミだが、広がり方も止まり方も違う。厚みがどちらにあるかで打つ手が変わる。

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使いどころ

口コミは、顧客の体験がどう他者へ伝わるかを見立てる場面で用いられる。推奨が生まれる条件や、不満が広がる経路を捉える。

電子的な口コミやカスタマーエンゲージメントの議論と結び付けると、評判が広がる場と仕組みを整理しやすくなる。

実務でのチェックポイント

  • 新規の顧客に、どこで自社を知ったかを尋ね、人からの紹介がどれだけ含まれるかを見る。
  • 顧客が自社を人に説明するときの言い回しを集め、自社が使っている説明と一致しているか確かめる。
  • 紹介で来た顧客と、そうでない顧客の継続率を分けて比べる。
  • 不満を持った顧客がそれをどこで話すかを想定する。自社に届く経路がなければ、外で話されている。

よくある誤解

良い体験さえ提供すれば話は勝手に回る、という見立てで施策が組まれることがある。だが満足しただけの人には、わざわざ人に伝える手間を負う理由がない。口コミが動くのは、想定を外れた対応や説明したくなる仕掛けなど、誰かに話せる形の出来事が体験のどこかに残っているときである。満足の度合いと、話の種があるかは別の性質の問題である。

口コミは制御できないから施策の対象外だ、という扱いも実務を狭める。発言そのものは動かせないが、話される場面や、伝えるときに使われる言葉は、体験の設計次第で変わる。何と呼ばれているかを把握しないままでは、意図と違う要約が広がっていても気づけない。

よくある質問

口コミを増やす仕組みは作れますか?

発言そのものを増やす仕組みより、話す理由を作るほうが働く。人に伝えるのは手間のかかる行為なので、伝えることで相手の役に立つ、あるいは自分の見え方が良くなるといった理由が要る。紹介の依頼だけを増やしても、話す動機がなければ続かない。

悪い口コミにはどう対応すべきですか?

書いた本人だけでなく、後から読む人に向けた対応だと捉え直す必要がある。個別の解決を急ぐより、何が起きたかと、それをどう扱ったかが読み取れる形で残ることのほうが影響は大きい。反論に寄ると、内容よりも応対の姿勢が評価の対象になる。

紹介してくれた顧客に謝礼を出してもよいですか?

出せるが、伝わり方が変わることを前提にする。謝礼が伴うと、受け手はその発言を利害のあるものとして読むため、第三者の声としての強さは弱まる。出すのであれば、その事実が分かる形にしたほうが、後から発覚するより信頼を損ねにくい。

この項目は、ブランディング支援会社 Highlite Inc. 編集部が執筆・監修しています。
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