さ
表現

スローガン

Slogan

施策や時期に紐づく標語。長期の顔であるタグラインと異なり、キャンペーン単位で入れ替わることが多い。

意味

スローガンは、施策や時期に紐づく標語を指す。ブランドの長期の顔として据え置かれるタグラインとは異なり、キャンペーンや季節に合わせて掲げられ、役目を終えれば入れ替わっていくことが多い、期間限定の言葉である。

短く覚えやすい一句にまとめ、その時々の訴えを人の記憶に残すことを狙う。長期の姿勢そのものではなく、特定の施策で伝えたいことを、その場面に合わせて端的に言い切る役割を担う。

入れ替わりを前提とするからこそ、タグラインとの役割分担を意識しておく必要がある。長期の顔を揺らさずに、その時々の訴えをどう重ねるかが、標語としての効き目と一貫性の両立を左右する。

成り立ち

語源はスコットランド・ゲール語の「鬨の声(sluagh-ghairm)」に遡るとされ、集団を鼓舞する掛け声を指した。そこから、標語や宣伝文句としての現在の意味へと転じ、施策ごとに掲げられる短い訴えの言葉を指すようになった。

スローガンとタグラインの違い

タグラインはブランドの長期の顔として据え置かれ、スローガンは施策の期間に合わせて掲げられ、役目を終えれば下ろされる。同じ短い一句でも、掲げ続ける前提かどうかが違い、そこから求められる中身の性質も分かれる。

判別したいときは、来年も同じ言葉を出すかを問うとよい。出さないなら、それは施策の言葉である。長く掲げる前提の言葉が季節や流行を含んでいたり、期間限定の言葉がブランド全体の約束を語っていたりする場合、役割の置き場所が入れ替わっている。

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スローガンとキャッチコピーの違い

キャッチコピーは、目に触れた瞬間に足を止めさせるための一句であり、スローガンは施策の期間を通じて繰り返し掲げられる旗である。前者は場面ごとに書き換えられ、後者は施策が続く間は据え置かれる。

混ぜると、施策の旗が広告ごとに変わってしまう。繰り返し同じ言葉が現れることで記憶は積み上がるため、旗として置く言葉は動かさず、目を引く工夫は個々の表現の側で担う。どちらを動かしてよいかを決めておくと運用が揺れない。

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使いどころ

キャンペーンや季節施策など、期間を区切って訴えを立てたいときに用いられる。その時々の焦点を短く言い切ることで、施策の記憶を残しやすくする役割を果たす。

運用では、長期の顔であるタグラインと混同しないよう役割を分けておくことが肝心である。スローガンは入れ替わる前提で、タグラインの一貫性を損なわない範囲で重ねるのが扱いの基本になる。

実務でのチェックポイント

  • 直近三年の施策で掲げた標語を並べ、共通して現れる語があるかを確かめる。まったく重ならないなら、記憶は施策ごとに途切れている。
  • 掲げている標語と、長期のタグラインを並べて読み、両立するかを確かめる。矛盾する内容なら、施策のたびに長期の像が揺らぐ。
  • 掲げる前に、その標語を下ろす時期を施策の終了日と一緒に書き添えておく。終わりが書かれていない標語は、役目を終えた後も看板や資料に居座る。
  • その標語が、社内向けなのか社外向けなのかを書き添えているかを見る。区別がないなら、前提を知らない相手に内輪の言葉が届く。

よくある誤解

施策ごとに新しい標語を立てられることを、運用の活発さの証しとみなす向きがある。しかし受け手の側では、掲げ替えのたびに前の話が打ち切られ、別の話が始まったように映る。積み上がるはずだった記憶は、そこで一度リセットされる。標語をいくつ作ったかではなく、同じ一句に何度出会ったかが定着を決める。

社内で決めた標語が、そのまま社外へ出せるとは限らない点も見落とされやすい。社内向けの標語は、方針を共有し行動を揃えるために書かれるため、前提を知らない相手には意味が取れないことがある。宛先を確かめずに流用すると、内輪の言葉が外向けの旗として掲げられる。

よくある質問

スローガンはどのくらいの期間使うものですか?

施策の期間に合わせるのが基本だが、短すぎると覚えられる前に消える。一度きりの露出で終わる長さなら、標語として立てる必要は薄い。複数の接点で繰り返し目に触れる見込みがあるかを先に確かめ、見込みがないなら個別の表現に任せるほうが無駄がない。

スローガンとタグラインを同時に出してもよいですか?

出してよいが、置き場所を分ける。長期の顔はロゴのそばに据え、施策の標語は表現の側に置くというように、見た目の階層で役割を示す。同じ大きさで並べると、受け手はどちらが会社の姿勢なのか判断できず、二つとも印象が薄まる。

毎回新しいスローガンを考える必要はありますか?

必要はない。同じ標語を複数の施策にまたがって使えば、そのぶん接触の回数が積み上がる。新しくするかどうかは、伝えたい中身が前回と変わったかで決める。中身が同じなのに言葉だけを替えると、覚えかけた記憶を毎回捨てることになる。

参考文献

David Ogilvy(1983) Ogilvy on Advertising
この項目は、ブランディング支援会社 Highlite Inc. 編集部が執筆・監修しています。
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