リーチ
ある施策や情報が到達した人の数、または割合を示す指標。重複を除いた「何人に届いたか」を表す。
意味
リーチとは、ある広告や情報が到達した人の数、あるいは対象全体に占める割合を示す指標を指す。同じ人が何度触れても一人として数える点が特徴で、「延べ何回」ではなく「何人に届いたか」を表す。
接触の回数を数えるフリクエンシーと対にして語られることが多く、両者を掛け合わせて露出の総量を捉える。広く届けるのか、深く届けるのかという配分の議論に用いられる。
ブランドの観点では、リーチの広さは想起される機会の土台になる。多くの人に届いていなければ、そもそも選択肢として思い浮かべてもらう入口が狭くなる。
成り立ち
「届く・到達する(reach)」という語に由来する広告効果の基礎指標で、媒体計画において古くから用いられてきた。到達の量を測る単位として定着している。
リーチとフリークエンシーの違い
リーチは何人に届いたか、フリクエンシーは一人が何回触れたかを表す。同じ露出量でも、広く一回ずつ配るのか、狭く何度も当てるのかで内訳が変わる。どちらを厚くするかは、認知の入口を広げたいのか、すでに知る人の記憶を強めたいのかで決まる。
判断の手がかりは、自社の課題がどちらにあるかにある。名前を知る人の絶対数が少ないなら回数を重ねても届く先は増えず、逆に知られてはいるが思い出されないなら人数を広げても解決しない。同じ予算でも、配分する先がそっくり入れ替わる。
フリークエンシーの項へ →リーチとインプレッションの違い
インプレッションは表示された回数の合計で、同じ人への重複を含んでいる。リーチは重複を除いた人数を表す。数字としては前者が常に大きくなり、二つの比を取れば一人あたりの接触回数が見えてくる。
混同が起きるのは、報告の場で「どれだけ届いたか」という言い方が両方に使われるためである。回数の合計として出された数字を人数と受け取れば、実際より広く届いたと誤認する。単位が回なのか人なのかを確かめる作業が、比較よりも先に来る。
インプレッションの項へ →使いどころ
接触頻度(フリクエンシー)と組み合わせ、露出設計の目安として使う。到達人数と表示回数を混同しないよう、重複を除いて数える点に注意する。
実務でのチェックポイント
- 報告に並ぶ数字の単位が回数か人数かを一つずつ確かめる。同じ到達という語が両方に使われている場合がある。
- 複数の媒体の数字を合計している箇所がないかを見る。重複を除けないなら、合計は出さずに媒体ごとに並べる。
- 届いた人数のうち、自社の顧客になりうる条件を満たす層がどれだけかを見積もる。内訳が分からないなら絞り込みが足りない。
- 表示回数を到達人数で割り、一人あたり何回届いた計算になるかを出す。狙いより大きい値なら、予算は新しい相手ではなく同じ顔ぶれへの上塗りに流れている。
よくある誤解
到達した人数を広げること自体を成果として扱う誤解が起きやすい。届いた人数が増えても、その中に買う可能性のある人がどれだけ含まれるかは別の話であり、対象を絞らない配信ほど人数は伸びやすい。広さの数字は、届いた先が妥当であることを何も保証しない。
もう一つは、媒体をまたいだ数字を単純に足してしまう扱いである。別々の媒体に接触した人の中には同じ人が含まれるため、合計は実際の人数を必ず上回る。重複を除けない条件のまま足した数字を到達人数として扱うと、判断の土台そのものが狂う。
よくある質問
リーチはどのくらいあれば十分ですか?
絶対値の目安より、狙う層の中でどれだけ覆えたかで見る。全体の人数が大きくても、買う可能性のある層に届いていなければ意味は薄い。分母を市場全体ではなく自社が相手にする層へ置き換えて割合を出すと、判断しやすくなる。
リーチとフリクエンシーはどちらを優先すべきですか?
知られていない段階では人数の広さが先に来る。届いていない相手に回数は積めないためである。ある程度知られた後は、思い出されるかどうかへ課題が移るため、回数と、どの場面で触れてもらうかの設計に比重が移っていく。
同じ人に何度届いても一人と数えるのですか?
一人として数える。リーチは重複を除いた人数を表す指標であり、接触が何度あっても一人分にしかならない。回数を含めて見たいときは表示回数や接触頻度の指標を別に置き、二つを並べて露出の内訳を捉える形になる。