さ
戦略
ジョブ理論
Jobs to Be Done
顧客は製品でなく「片づけたい用事」を雇うとする考え。何のために選ばれるかを、機能でなく目的で捉え直す。
意味
ジョブ理論は、顧客は製品そのものを欲しているのではなく、片づけたい「用事(ジョブ)」を進めるために製品を雇っている、と捉える考え方である。「顧客は用事を片づけるために製品を雇う」という見立てが、その核を端的に表す。
この視点では、選ばれる理由を機能の優劣ではなく、顧客が達成したい目的の側から捉え直す。同じ製品でも、状況が変われば雇われる用事が変わり、競合の範囲も機能の近さではなく用事の近さで引き直される。
何のために選ばれているのかを問うことで、表面の属性に隠れた本当の動機が見えてくる。属性を足し続ける発想から、顧客の進めたい前進を助ける発想へと、価値の捉え方を切り替える枠組みである。
成り立ち
Clayton M. Christensen らが提唱し、広く普及させた考え方である。「顧客は用事を片づけるために製品を雇う」という言い回しで知られ、製品中心ではなく顧客の目的中心に市場を捉え直す視点として整理された。
使いどころ
新しい価値や差別化の手がかりを探すとき、機能比較の外側から発想したい場面で用いられる。顧客がどんな状況で何を前へ進めたいのかを捉えることで、ポジショニングやコンセプトの起点を機能の外に置ける。
実務では、顧客が製品を雇う「状況」を丁寧に描くことが出発点になる。狙う相手を絞るセグメンテーションやポジショニングと結びつけると、誰のどの用事に応えるのかが明確になる。
参考・出典
Clayton M. Christensen ほか(2016) ジョブ理論(Competing Against Luck)
Highlite 編集部(2026) 「ジョブ理論」をめぐる用語ノート