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戦略

デマンド

Demand

市場や顧客がある価値を求める状態を指し、その大きさや質がマーケティングの前提となる需要。

意味

デマンド(需要)とは、市場や顧客がある商品・価値を求めている状態や、その量を指す。マーケティングは、この需要を捉え、あるいは掘り起こし、育てることを土台に成り立っている。

需要には、すでに顕在化しているものと、本人も気づいていない潜在的なものとがある。表に出た需要に応えるだけでなく、潜んだ需要を言葉にして引き出すことが、新しい市場づくりにつながる。

成り立ち

経済学における需要の概念を土台に、市場を捉える基本的な前提としてマーケティングに取り入れられてきた。供給との対で語られ、需要の性質を見極めることが施策の出発点とされる。

デマンドとニーズの違い

ニーズは、満たされていない不足や欲求そのものを指し、必ずしも買う行為に結びつかない。デマンドは、その欲求が支払う意思や手段を伴って市場に現れた状態を指す。欲しいと思っている人の数と、買える条件が揃っている人の数は同じにならない。

見立ての場面で差が出る。ニーズの大きさだけを根拠に市場を見積もると、実際には買えない層まで数に入る。事業として成り立つかを判断する段では、欲求の側ではなく、それが支払いを伴って現れているかどうかの側を見ることになる。欲求の大きさと、市場としての大きさは別に見積もる対象になる。

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デマンドと需要創造の違い

需要創造は、まだ市場に現れていない欲求を掘り起こし、買う形にまで持っていく働きかけを指す。デマンドは、その働きかけの前後に存在する状態のほうを指す。片方は動詞にあたり、もう片方は名詞にあたると考えると位置関係がつかみやすい。

混同すると、需要は常につくれるものだという前提に立ちやすい。だが働きかけによって現れる需要と、条件が整わない限り現れない需要がある。手前に価格や入手のしにくさといった壁があるなら、掘り起こす前に壁のほうを外す判断が先に来る。掘り起こす手間と、壁を外す手間のどちらが先かを見極めることになる。

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使いどころ

市場機会を見立てる際、どこにどれだけの需要があるかを見極める文脈で用いられる。顕在需要だけを見て潜在需要を見落とすと、機会を狭く捉えてしまう点に注意したい。

実務でのチェックポイント

  • 自社が想定する需要について、それを求める人がいま何で代用しているかを挙げる。代用先が思い当たらないなら、需要そのものがまだ現れていない可能性がある。
  • 問い合わせや検索で使われている言葉を集め、自社が商品を説明するときの言葉とどれだけ重なるかを見る。ずれていれば、需要はあっても出会えていない。
  • 買わなかった相手の理由を、欲しくない、条件が合わない、知らなかったの三つに仕分ける。どこが多いかで打つべき手が変わる。三つが混ざったままだと、打ち手も混ざる。
  • 価格を下げたときにどれだけ動くかを、限られた範囲で確かめる。まったく動かないなら、価格ではなく需要の有無が論点になる。試す範囲は、元に戻せる規模に留めておく。

よくある誤解

需要がないという言葉が、実際には見つけられていないだけの状態に対して使われることがある。求める人が存在しても、探す言葉が違えば出会わないし、買える場所になければ現れない。ないと結論づける前に、どの言葉で、どの場所で確かめたのかを点検すると、判断の質が変わってくる。ないという判断ほど、確かめた条件を書き残しておく価値がある。

潜んだ需要を掘り起こせば必ず新しい市場になる、という期待も行き過ぎやすい。本人が気づいていない欲求は、気づかせる手間と、それを買う形に変える手間の両方を負うことになる。既に現れている需要に応えるより時間も費用もかかるため、体力との兼ね合いで選ぶ対象になる。掘り起こしは、体力に余裕のある側が選べる道になる。

よくある質問

需要はつくれるものですか?

ある程度はつくれるが、無から生むわけではない。働きかけによって現れるのは、本人が言葉にできていなかった不便や欲求であり、それが元々ない場所では何を伝えても動かない。つくるという表現の実態は、既にある不便を見えるようにして買う形に変える作業に近い。

需要の大きさはどう見積もればよいですか?

全体の人数から絞り込むより、いま何にいくら払われているかから積み上げるほうが外れにくい。代用されている手段への支出が見えれば、そこから移ってくる分として現実的な範囲が描ける。上から割り出す推計は、前提の置き方一つで大きく振れる。積み上げのほうが、前提の置き方に左右されにくい。

需要が落ちているとき、まず何を疑うべきですか?

自社側の変化か、市場側の変化かを先に切り分けることになる。競合や代替手段に移ったのであれば市場の中での取り分の問題であり、カテゴリー全体が縮んでいるなら別の対応が要る。同業他社の動きが同じ方向かどうかを見ると、切り分けの手がかりになる。切り分けを飛ばすと、効かない手を打つことになる。

この項目は、ブランディング支援会社 Highlite Inc. 編集部が執筆・監修しています。
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