デマンドジェネレーション
自社への需要そのものをつくり出し、見込み客の関心を喚起して育てていく一連の活動を指す。
意味
デマンドジェネレーションとは、すでにある需要を刈り取るのではなく、対象が自社の解決策を必要だと気づく状態をつくり、関心を育てていく活動全体を指す。特に検討期間の長い法人取引で重視される。
認知づくりから見込み客の育成、商談化までを一続きの流れとして捉える点に特徴がある。個別の施策ではなく、需要を生み育てるまでの全体設計として語られることが多い。
成り立ち
法人向けマーケティングの実務の中で、単発のリード獲得を超えて需要形成そのものを担う枠組みとして整理されてきた。認知・育成・獲得を一貫して捉える発想が核にある。
デマンドジェネレーションとリードジェネレーションの違い
リードジェネレーションは、連絡先を取得するところまでを扱う。デマンドジェネレーションは、その手前で必要性に気づいてもらう段階から、商談に至るまでの流れ全体を含む。取得は途中の一点であって、それ自体が目的ではない。
取り違えは、件数の追い方に表れる。取得数を目標に置くと、必要性を感じていない相手からも取れる手段が選ばれやすい。件数は増えているのに商談が増えないときは、取得の前段が抜け落ちている可能性を先に見ることになる。
リードジェネレーションの項へ →デマンドジェネレーションと需要創造の違い
需要創造は、これまで市場になかった需要そのものを生み出すことに重心がある。デマンドジェネレーションは、潜在的に存在する課題を自社の解決策と結びつけ、検討として立ち上げる実務を指す。ゼロから作るのか、眠っている必要性を起こすのかという違いになる。
実務での扱いも分かれる。前者は商品や事業の側に踏み込むことが多く、後者はすでにある提供物をどう認識させるかの設計に寄る。自社の課題がどちらにあるのかを見誤ると、伝え方を変えても検討が立ち上がらない状態が続くことになる。
需要創造の項へ →使いどころ
検討に時間を要する商材で、見込み客の関心を段階的に高めていく場面で用いられる。短期の獲得施策と混同すると、育成の視点が抜け落ちやすい点に注意したい。
実務でのチェックポイント
- 取得した連絡先のうち、実際に商談へ進んだ割合を経路別に出す。割合が低い経路は、必要性の形成を飛ばしている。
- 初回の商談で、自社の説明にどれだけ時間を使っているかを確かめる。長いままなら、事前の理解形成が働いていない。
- 認知を担う施策から商談化を担う施策へ、どの反応を合図に、誰の手へ渡すのか。この受け渡しが名指しされない限り、関心を持った相手は途中の空白で立ち止まる。
- 問い合わせの文面を時期ごとに並べ、課題の書かれ方が具体的になっているかを読む。内容の変化は件数より先に動く。
よくある誤解
認知を広げる施策と、獲得を狙う施策を別々に管理してしまうことがある。だが必要性に気づく段階と比較検討に入る段階は同じ相手の中で連続しているため、担当も指標も分断されると、途中で受け渡されない相手が滞る。境目で誰が引き継ぐかが決まっていないことが多い。
時間のかかる取り組みだから短期には何も見えない、という扱われ方もする。商談の数が動くまでには確かに間があるが、その手前の兆候は先に出る。問い合わせの内容が具体的になっているか、初回の商談で説明に要する時間が短くなっているかは、数が動く前に変わる。
よくある質問
デマンドジェネレーションはBtoCでも使えますか?
使える考え方だが、比重が変わる。検討が短く一人で決まる買い物では、必要性の形成に長い時間をかける余地が小さい。関与する人が多く検討が長いほど事前に理解をつくる価値が大きくなるため、法人取引で語られる場面が多くなる。
成果はどの指標で見ればよいですか?
取得件数だけでは足りない。商談へ進んだ割合、初回商談で説明に要する時間、自社名で直接問い合わせが来た件数などを併せて見ると、必要性の形成が働いているかを捉えやすくなる。件数の指標と質の指標を必ず対で置くことになる。
営業との分担が重なりませんか?
重なる部分があること自体は問題ではなく、どこで引き継ぐかが決まっていないことが問題になる。必要性に気づく段階までを担い、比較検討に入った相手を渡すのが一般的な線引きだが、その基準を双方で同じ言葉にしておく必要がある。