か
表現

コーポレートステートメント

Corporate Statement

企業の姿勢や志を短い言葉で表明した宣言。社内外に向けて基本の立場を示す。

意味

コーポレートステートメントとは、企業の姿勢や志を短い言葉で表明した宣言を指す。何を大切にし、社会に対してどう在ろうとするのかという、基本の立場を凝縮して示すものである。

この宣言は、製品ごとの訴求文句とは役割が異なる。個別の商品ではなく企業そのものを主語に置き、長く掲げられることを前提とする。企業の判断や表現が拠って立つ拠りどころとなる。

短い言葉であるほど、その背後にある考えとの一貫性が問われる。宣言と実際の行動が食い違えば、言葉は空疎になる。表明したことを体現できるかが、その価値を左右する。

成り立ち

statement は「表明・声明」を意味する語で、企業(corporate)が自らの姿勢や志を示す宣言を指す用語として用いられるようになった。

企業としての立場を内外に明確に示す必要が意識される中で、理念を凝縮して表明する言葉として広まった。

コーポレートステートメントとタグラインの違い

タグラインは、商品や事業を含めた発信に添えて受け手の記憶に残ることを狙う言葉であり、コーポレートステートメントは企業としての立場を表明する言葉である。前者は覚えてもらうために、後者は拠りどころを示すために置かれることになる。

見分けの手がかりは、置かれる場所にある。タグラインは広告や表示物に繰り返し現れるが、ステートメントは会社案内や社内の掲示に置かれ、日々目に触れる必要はない。同じ一文を両方に流用すると、覚えやすさか厳密さのどちらかが犠牲になる。

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コーポレートステートメントとMVVの違い

MVVは組織の内側に向けて目指す先と行動の規範を定めたものであり、コーポレートステートメントは社会に向けて立場を示す表明にあたる。内容が重なることは多いが宛先が違うため、そのまま同じ言葉を使うと片方の役割が弱くなる。

取り違えると、社内でしか意味の通じない言葉が対外的な表明として掲げられる。逆に、外向けに整えた言葉をそのまま行動の規範に据えると、明日から何を変えるのかが読み取れず、判断の場面で参照されないまま残ることになる。

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使いどころ

コーポレートステートメントは、企業の姿勢や志を短い言葉で表明する場面で用いられる。何を掲げ、どう体現するかを結び付けて設計する。

コーポレートアイデンティティやタグラインと並べて捉えると、企業を主語とする言葉の役割の違いを整理しやすくなる。

実務でのチェックポイント

  • 事業の撤退や大きな投資といった重い判断を取り上げ、掲げた宣言の言葉だけで社内に語ってみる。言葉が足りず別の理屈を継ぎ足すなら、表明と実態は離れ始めている。
  • 社員に、自社が何を表明しているかを尋ねる。言い回しの正確さではなく、趣旨が伝わっているかを見る。
  • 掲げた言葉が最後に見直された時期と、その間に事業がどう変わったかを並べる。ずれの大きさが更新の目安になる。
  • 会社案内、採用資料、自社サイトで示している立場が食い違っていないかを読み比べる。宛先ごとに別の表明が育っていないかを見る。

よくある誤解

短く整った言葉を作ること自体が目的になり、何を表明するかの合意が後回しになる場面が多い。言い回しの検討には全員が意見を出せるが、どこまで踏み込むかの判断は決裁の側にしかできない。表現の議論が長引いているときは、争点が言葉ではなく立場の詰め方にあることがある。

掲げた後に見直されない扱いも起きやすい。長く保つことが前提の言葉であるため、事業の範囲が変わっても放置されやすく、実態と離れたまま会社案内に残る。掲げ続けるかどうかは、いまの判断をその言葉で説明できるかどうかで確かめる対象になる。

よくある質問

コーポレートステートメントとタグラインは両方必要ですか?

役割が違うため、両方を持つ企業もあれば一つで足りる企業もある。企業そのものが選ばれる場面が多いなら表明の言葉が要り、商品ごとに発信する場面が多いなら覚えられる言葉が要る。判断の目安は、外から見られている主語が企業なのか商品なのかにある。

どのくらいの長さが適切ですか?

長さより、その言葉で判断を説明できるかで決まる。短く整えるほど覚えやすいが、抽象に寄れば何を表明したのか分からなくなる。一文に収まらないなら、短い一文と、それを支える数行の説明を組にして置く形も取れる。

変更してもよいものですか?

変更できるが、頻度が上がるほど表明としての重みは失われる。長く掲げられる前提で読まれるため、事業の節目でもないのに入れ替わると、その時々の都合で書かれた言葉として受け取られる。変えるなら、何が変わったから変えるのかを併せて示す対象になる。

この項目は、ブランディング支援会社 Highlite Inc. 編集部が執筆・監修しています。
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