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定義

ブランドパーパス

Brand Purpose

ブランドが社会に対して果たしたい存在理由。利益より上位の概念として、意思決定の最終審級となる。

意味

ブランドパーパスとは、ブランドが社会に対して果たしたい存在理由のことである。「何を売るか」「どう儲けるか」の手前にある「なぜこの事業が世の中に在るのか」への答えを指し、利益より上位の概念として置かれる。

多くの場合、パーパスは日々の意思決定の最終審級として機能する。迷いが生じたとき、短期の利益ではなく「自社は何のために在るのか」に照らして判断を戻すための拠り所になる。

ミッションやビジョンと近縁だが、パーパスは特に「社会にとっての意味」に重心を置く点に特徴がある。内向きの目標というより、外の世界に対して負う責任として語られることが多い。

成り立ち

purpose は「目的・意図」を意味する英語で、ラテン語 propositum(前に置かれたもの・企図)に遡る。ここから「そもそも何のために」という問いを表す語として、経営やブランドの文脈に取り込まれた。

存在理由を問う発想はフランス語のレゾンデートル(raison d'être)とも重なり、企業の目的を利益だけに還元しない議論の中で、ブランドの語彙として定着していった。

ブランドパーパスとMVVの違い

MVVは、組織が何を目指し、どう振る舞うかを内側に向けて定めた枠組みである。ブランドパーパスは、社会から見てこの事業が在る意味を外側に向けて示す。宛先が違うため、似た言葉が並んでいても働く場所は別になる。前者は社員の行動を、後者は事業を続けるかどうかの判断を支える。

並べて置くと、パーパスは上流の前提として働き、ミッションはそこから導かれる目標になりやすい。順序が逆になっていないかは、その一文が達成できる種類のものかで見分けられる。達成して終われるならミッションの側、終わりが来ないならパーパスの側にある。

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ブランドパーパスとレゾンデートルの違い

レゾンデートルは存在理由そのものを指す言葉で、企業に限らず用いられる。パーパスは、その問いを事業の意思決定に使える形へ落とした実務の語彙にあたる。意味としては重なるが、パーパスは掲げた後に実際の行動と照らされる前提を含む点が違う。

使われ方でも分かれる。レゾンデートルは、在る意味を問い直す場面で持ち出される内省的な語である。パーパスは、事業を広げるか撤退するかといった具体的な判断の物差しとして参照される。考えるための言葉か、決めるための言葉かの差になる。

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使いどころ

パーパスは、事業の拡張や撤退、提携の可否といった大きな判断を検証する際の物差しとして使われる。掲げるだけでなく、実際の行動と一致しているかが常に問われる。

ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)やブランドプロミスと併せて用いると、上流の理念から顧客への約束までを一本の筋で捉えやすくなる。

実務でのチェックポイント

  • 掲げた一文を根拠にして直近一年で見送った案件があるかを挙げる。一つも無いなら、判断の場ではまだ使われていない。
  • 同業他社の理念と自社の一文を並べ、名前を伏せて社内で見分けられるかを試す。区別がつかないなら、業界の一般論を書いている。
  • 値付けと取引先の選び方に、その一文がどう効いたかを一件ずつ挙げてみる。挙がらない領域があれば、そこが言葉の届いていない範囲である。
  • 達成できたかを判定しにかかったとき、判定がついてしまうなら、その記述は目標の側にある。終わりの来ない問いとして書けているかを読み返す。

よくある誤解

社会性のある言葉を掲げればパーパスになる、という扱いが最も起きやすい。だが実際に働くかどうかは、その一文が何かを断る根拠になっているかで決まる。掲げた内容と相性の悪い案件を見送った例が一つも無いなら、その言葉は判断に関わっていない。良いことを書いたかではなく、何を諦めたかに表れる。

本業から離れた社会貢献の話として置かれる崩れ方もある。日々の提供物と切り離された場所に理念があると、社員は二つの基準を持つことになり、忙しい時期には売上の側が勝つ。パーパスが効くのは普段の仕事の中で使われるときであり、別枠の活動へ押し込まれた時点で参照されなくなる。

よくある質問

パーパスとミッションは何が違うのですか?

終わりがあるかどうかで分かれる。ミッションは果たすべき使命であり、達成すれば次を掲げることになる。パーパスは在る意味そのものなので、達成して終わる性質を持たない。掲げた一文が完了しうるかを確かめると、どちらを書いたのかが判別できる。

パーパスは中小企業にも必要ですか?

必要というより、規模が小さいほど早く効く。判断の数が多く、任せる相手が増えるほど、何のためにという前提が共有されていない負担が表に出る。経営者がすべての判断に関われる間は見えにくいが、人に委ねた瞬間に、この前提の有無が差になって現れる。

パーパスは公表しないといけませんか?

公表そのものが目的ではない。外に示せば期待が生まれるため、行動が伴わない段階で掲げると、言葉と実態の差のほうが記憶される。先に社内の判断が動き、断り方や選び方に現れてから外へ出す順序のほうが、ずれは小さく収まる。

この項目は、ブランディング支援会社 Highlite Inc. 編集部が執筆・監修しています。
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