コンテンツマーケティング
役立つ情報や物語を継続的に届け、関心と信頼を育てて関係につなげる手法。
意味
コンテンツマーケティングとは、役立つ情報や物語を継続的に届けることで、受け手の関心と信頼を育て、関係へとつなげていく手法を指す。売り込みを前面に出すのではなく、相手にとって価値のある内容を通じて近づく点に特徴がある。
この手法のねらいは、まず信頼を築き、その積み重ねの先で選ばれることにある。役立つ内容が繰り返し届くことで、受け手はブランドを頼れる存在として認識するようになる。
効果はすぐには現れにくく、時間をかけて積み上がる性質がある。一貫した視点と継続が前提となり、短期の反応だけでは測りきれない領域である。
成り立ち
content(内容・情報)を軸に据えたマーケティングを指す呼称で、価値ある情報の提供を通じて関係を築く発想を表す。
受け手が一方的な広告を避け、自ら情報を探すようになる中で、役立つ内容を通じて近づく手法として広まった。
コンテンツマーケティングとオウンドメディアの違い
オウンドメディアは自社が保有する器であり、コンテンツマーケティングはその器を含めた場所へ価値ある内容を届け続ける手法である。器を立ち上げることと、届ける内容と読み手が定まっていることは別で、前者だけが先に進む事態はよく起きる。
判別の軸は、止めたときに何が残るかにある。器は残っても、更新が止まれば読み手との関係は途切れる。器を持たずに他社の場へ寄稿する形でも手法としては成り立つため、自社の場所を持つかどうかは手法の必須条件ではない。
オウンドメディアの項へ →コンテンツマーケティングとインバウンドマーケティングの違い
インバウンドマーケティングは相手に見つけてもらう形で近づくという考え方の全体であり、コンテンツマーケティングはその中で内容を軸に据えた手法にあたる。見つけられる状態をつくる手立ては内容の提供だけではなく、包含の関係で並んでいる。
取り違えると、記事を増やすこと自体が目的になりやすい。見つけてもらう状態をつくるのが目的なら、内容の量だけでなく、探されている言葉との重なりや、たどり着いた後の受け皿まで含めて手を入れる対象になる。
インバウンドマーケティングの項へ →使いどころ
コンテンツマーケティングは、情報や物語を通じて関心と信頼を育てる場面で用いられる。誰に、どんな価値ある内容を継続的に届けるかを設計する。
コピーライティングやカスタマージャーニーの議論と結び付けると、届ける内容と関係の段階を対応づけて捉えやすくなる。
実務でのチェックポイント
- 直近の記事を並べ、それぞれが答えている問いを一行で書き出す。同じ問いが重複しているなら、増やしているのは量だけになる。
- 営業や応対の場で実際に聞かれる質問と、公開している内容が重なっているかを突き合わせる。ずれていれば想定した読み手が違う。
- 更新が止まった時期に反応がどう動いたかを見る。落ち方が緩やかなら、積み上がった分が効いていることになる。
- 読み終えた人が次に何をできるかを、記事ごとに確認する。受け皿がないまま送り出しているなら、手前で切れている。
よくある誤解
本数を積めば成果が出る、という前提で運用が始まりやすい。読み手の抱える問いに答えていない記事は、増やしても互いに読者を奪い合い、探す側から見れば似た内容が並んでいるだけになる。増やす判断の前に、誰のどの問いに答えるかが一本ごとに違っているかを確かめる作業が要る。
成果が遅いという性質が、測らない理由として使われることもある。積み上がるまでに時間がかかるのは確かだが、その間に何も見えないわけではない。読まれた本数、たどり着いた経路、読んだ後の行動といった手前の反応は先に動くため、遅さと測れなさは分けて扱う対象になる。
よくある質問
コンテンツマーケティングはどのくらいで効果が出ますか?
期間で区切るより、順序で見るほうが確かめやすい。まず探して来る人が増え、次に問い合わせの内容が具体的になり、最後に取引の起点として名前が挙がるようになる。手前が動いていないうちに最後の指標だけを追うと、効いているかを見誤ることになる。
記事は何本くらい必要ですか?
必要な本数は、扱う領域で読み手が抱く問いの数によって決まる。答えるべき問いが尽きていないのに止めれば途中で終わり、尽きたのに増やせば重複が生まれる。本数を目標に置くと後者に傾きやすいため、問いの一覧の側を管理の対象にするほうが破綻しにくい。
自社で書くべきですか、外部に頼むべきですか?
書き手より、問いを決める側が社内にあるかで決まる。文章を整える作業は任せられるが、読み手が何に困っているかの見立ては、日々応対している側にしか蓄積しない。外部に任せて薄くなるのは文章の質ではなく、扱う問いの選び方であることが多い。