た
現代

ブランド提携(コラボ)

Brand Partnership

他ブランドと組み、互いの価値を掛け合わせる取り組み。世界観が噛み合ってこそ、双方の像を高め合える。

意味

ブランド提携は、他のブランドと組み、互いの価値を掛け合わせる取り組みを指す。共同での商品開発やキャンペーン、コラボレーションなどの形をとり、単独では届かない層や文脈に手を伸ばす手段となる。

鍵を握るのは、双方の世界観が噛み合っているかである。相性が良ければ互いの像を高め合えるが、そぐわない相手と組めば、どちらのブランドも印象を薄めたり損なったりしかねない。

提携は一時の話題づくりにとどまらず、両者の連想を交換する行為でもある。組んだ相手のイメージが自ブランドに流れ込むため、誰と並ぶかの選択そのものが姿勢の表明になる。

成り立ち

ブランド提携は、複数のブランドを一つの提供物に併記する「コ・ブランディング(co-branding)」の考え方を土台に広まった。日本では「コラボ」の通称で親しまれ、実務の定番手法となっている。

パートナーシップ(partnership)という語が示すとおり、一方が他方を借りるのでなく、対等に価値を持ち寄る関係が前提とされる点に特徴がある。

ブランド提携(コラボ)とインフルエンサーの違い

インフルエンサーの起用は、個人の影響力を借りて情報の届く範囲を広げる取り組みであり、借りる側と貸す側の関係になる。ブランド提携(コラボ)は互いの像を持ち寄る関係で、相手の連想が自社へ流れ込むと同時に、自社の連想も相手へ流れ込む。一方通行か双方向かが、最初の分かれ目になる。

契約が終わった後に何が残るかでも見分けられる。起用は期間が切れれば露出も止まり、残るのは接触した記憶の分だけである。提携は解消しても、あの二つが並んでいたという事実が双方に残り続ける。後戻りのしにくさが違うため、相手を選ぶ際に確かめるべき範囲も変わってくる。

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ブランド提携(コラボ)とブランドエクステンションの違い

ブランド拡張は、自社の名前を別の領域へ伸ばして新しい提供物をつくる。提携は、足りない部分を他社の名前で補う。同じく新しい市場へ出る手段でも、信用の出どころが自前か他人かで分かれる。自社の名前だけで説明しきれるかどうかが、どちらを選ぶかの判断材料になる。

うまくいかなかったときの後始末も異なる。拡張の失敗は、傷が自社の名前に直接残る。提携なら関係を解いて距離を置く余地がある一方、相手の側で起きた問題を自社では制御できない。自分で抱えるか他人と分け合うかは、制御できる範囲と負う責任の重さが裏返しになった選択にあたる。

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使いどころ

使いどころは、新しい顧客層への接続、話題の創出、あるいは互いの弱点の補完である。技術と世界観、認知と信頼など、片方に足りないものをもう片方が持つ組み合わせが噛み合いやすい。

実務では、提携後の像がどう変わるかを事前に見立てることが要になる。短期の反響だけでなく、相手ブランドの評判リスクや、提携解消後に残る連想まで含めて相性を見極める。

実務でのチェックポイント

  • 提携先の名前を伏せた状態で企画を説明したとき、自社が何を提供する側なのかが伝わるかを確かめる。伝わらないなら、場を借りているだけの関係になっている。
  • 相手側の顧客が自社をどう紹介するかを書き出し、既存顧客に語ってきた説明と読み比べる。宛先が変われば言い方は変わってよいが、根の一点まで入れ替わっていないか。
  • 提携が終わった翌日に自社へ何が残るかを挙げてみる。売上と露出しか挙がらないなら、像の面では何も積み上がっていないことになる。
  • 相手の評判が悪化した場合に、どの時点でどう距離を取るかを事前に決めているかを確かめる。決めていなければ、判断は世論の速さに追いつけない。

よくある誤解

反響の大きさをそのまま提携の成否に置き換えてしまう崩れ方が、いちばん多い。話題は組み合わせの意外性でつくれるが、意外性が強いほど、なぜ組んだのかという説明は痩せる。驚きは一巡すれば消え、後に残るのは並んだという事実のほうである。話題の量と、像が望んだ方向へ動いたかは、別の物差しで見るしかない。

相手が大きいほど得だという見方も根強い。知名度に差があると、共同の成果は大きい側の手柄として記憶され、小さい側は場を借りた側として語られる。誰の顧客に向けた企画なのか、どちらが何を持ち寄るのかを詰めないまま走れば、露出は増えても自社の像はむしろ薄まり、次に単独で出たときに何も残っていない。

よくある質問

知名度の低いブランドでもコラボは組めますか?

組める。規模ではなく、相手に無いものを持っているかで決まる。技術、素材、特定の層からの信頼、独特の世界観など、大きさとは別の軸で価値を持ち寄れれば成立する。むしろ知名度だけを頼りに組もうとすると、差し出せるものが薄く、条件を相手に握られやすくなる。

提携相手はどう選べばよいですか?

選ぶ前に、自社の像へどんな連想を足したいのかを決めておく。候補を並べてから選ぶと、条件の良さや話題性のほうへ判断が流れる。足したい連想が先にあれば、相手の顧客層や価格帯が自社と離れていても、噛み合うかどうかを筋で説明できるようになる。

コラボは何度も繰り返してよいものですか?

繰り返せるが、頻度が上がるほど一回あたりの意味は薄くなる。誰とでも組むブランドだという像がつくと、次に誰と組んでも驚きも納得も生まれにくい。組む相手に一貫した傾向があるかどうかが、回数よりも像への効き方を左右する。

この項目は、ブランディング支援会社 Highlite Inc. 編集部が執筆・監修しています。
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