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戦略

AIDMA

AIDMA

注意・関心・欲求・記憶・行動の5段階で消費者の購買心理を捉える古典的モデル。

意味

AIDMA(アイドマ)とは、消費者が商品を認知してから購買に至るまでの心理過程を、Attention(注意)・Interest(関心)・Desire(欲求)・Memory(記憶)・Action(行動)の5段階で整理したモデルである。それぞれの段階に応じて働きかけるべき施策が異なるという発想を提供する。

各段階を順に進むという単純化された前提は現実の複雑な購買行動を完全には反映しないが、施策を「認知づくり」「欲求喚起」「購買の後押し」などに切り分けて考える枠組みとして、いまなお教育や実務の共通言語として用いられる。

成り立ち

米国の実業家サミュエル・ローランド・ホールが20世紀前半に著した広告・販売に関する著作の中で示した考え方が起源とされる。日本では広告論の基礎モデルとして紹介され、後年のAISASなどネット時代のモデルと対比される形で語り継がれてきた。

AIDMAと注意・関心・欲求・記憶・行動の違い

AIDAは注意・関心・欲求・行動の四段階をたどる。AIDMAは欲求と行動のあいだへ記憶を差し込み、五段階とする。この一段が引き受けているのは、広告に触れた場所と買う場所が離れている状況である。店頭で思い出されるまで印象を保たせる必要があるなら記憶の段が効き、その場で決済まで進む導線ならAIDAで足りる。触れてから買うまでの空白の長さが、どちらを持ち出すかを決める。

どちらを使うかは、検討に要する時間で選ぶ形になる。店頭で見てすぐ決まる商材なら記憶の段は薄く、後日あらためて買われる商材では、覚えていてもらうための施策が独立した課題として残る。段階の数より、時間差の有無を見るほうが早い。

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AIDMAとカスタマージャーニーの違い

AIDMAは心理の段階を一般化した型で、どの商材にも当てはめられる代わりに自社の実態は反映しない。カスタマージャーニーは、実際の顧客の動きを調べて描く地図で、自社固有の経路や躓きが表れる。型と実測という違いで並べられる。

併用するなら順序がある。型は施策を分類する共通言語として使い、実測は型に収まらない動きを見つけるために使う。型に当てはまらない箇所こそ自社の特徴が出るところで、そこを型に合わせて均してしまうと、見えていた課題まで消えることになる。

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使いどころ

施策の目的がどの心理段階に働きかけるものかを整理する際の見取り図として使われる。認知段階の施策と購買直前の施策を同一視しないための共通言語であり、後継モデルとあわせて「自社の購買行動にどこまで当てはまるか」を吟味する出発点となる。

実務でのチェックポイント

  • 直近一年の施策を五つの段階に仕分ける。特定の段階に集中しているなら、他の段階は手つかずのまま残っている。
  • 記憶の段階に効く施策があるかを確かめる。見た後に時間が空く商材で何もないなら、その間に忘れられている。
  • 顧客が知ってから買うまでのおおよその期間を把握しているかを見る。把握していないと、どの段階が重いか判断できない。
  • 注意から関心へ、関心から欲求へ移ったと言える手がかりを、段ごとに書き出しておく。目印の置かれていない段があると、そこに当てた施策の良し悪しは印象論のまま終わる。

よくある誤解

段階を順に進むものとして扱い、施策を上から順に並べれば購買に至ると読まれやすい。実際には途中の段階を飛ばす顧客も、行き来する顧客もいる。型の役目は、施策がどの段階に効くのかを言い分けることにあり、顧客の実際の道筋を規定するものではない。

古いモデルだから使えない、という切り捨ても行きすぎになる。後から作られた型も含めて、どれも購買行動の一面を切り取った道具にすぎない。自社の商材でどこが最も詰まっているかを話し合う共通言語として機能するなら、型の新しさは主要な論点にならない。

よくある質問

AIDMAは今でも使えるモデルですか?

施策を段階で言い分ける道具としては使える。前提となる購買の状況は変わっているが、認知を作る施策と購入を後押しする施策を区別する必要は変わらない。実際の道筋を説明する図としてではなく、分類の枠として扱うと無理がない。

AIDMAとAISASはどちらを使うべきですか?

自社の顧客が検索や共有を経て買うかどうかで選ぶ形になる。どちらか一方が正しいのではなく、想定している行動の型が違う。両方を並べて実態に近いほうを共通言語として選び、合わない段階は使わない扱いにしておけば足りる。

段階ごとに指標を設定すべきですか?

設定するほうが議論は噛み合う。全体の売上だけを見ていると、どの段階で止まっているのかが分からない。ただし段階の境目は商材によって曖昧になるため、厳密な線引きより、前後で違う動きを捉えられるかを基準に決める形になる。

この項目は、ブランディング支援会社 Highlite Inc. 編集部が執筆・監修しています。
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