ジャーナル · 計測2026.07.01

ブランドイメージを向上させる――伝えたい像と、伝わっている像のズレを埋める

自分たちが目指す姿と、顧客の頭の中に実際に映る姿。この二つがずれたまま発信を重ねても、イメージは良くならない。まずズレを見つけ、接点をそろえ、測って直す。ブランドイメージを向上させる、地に足のついた手順を解説する。

目次
  1. ブランドイメージとは、顧客の頭の中にある像
  2. なぜイメージは、接点の総和で決まるのか
  3. 向上のさせ方――知り、そろえ、直す
  4. 測るうえでの注意と、次の一歩

— 01 —ブランドイメージとは、顧客の頭の中にある像

ブランドイメージとは、顧客がそのブランドについて実際に抱いている印象や連想の総体を指す。ここで区別しておきたいのが、企業が「こう見られたい」と意図するブランドアイデンティティとの違いだ。アイデンティティは送り手の願望、イメージは受け手の現実。この二つは、しばしば食い違う。

ブランドイメージを向上させるとは、単に印象を良くする漠然とした話ではない。目指す像(アイデンティティ)と、伝わっている像(イメージ)とのズレを埋める作業だと捉えるのが正確だ。いくら理想を語っても、顧客の頭の中の像がそれとずれていれば、イメージは向上したことにならない。逆に言えば、向上とは、送り手の意図と受け手の知覚を一致させ、狙った通りに思ってもらえる状態に近づけていくことである。だから出発点は、発信を増やすことではなく、いま自社がどう見られているのかを正しく知ることになる。

目指す姿と、実際に見られている姿。この二つがずれているって、案外自分たちでは気づけないんですよね。お客さんに言われて初めて「そう見えてたのか」と驚く、というのが正直なところです。

— 02 —なぜイメージは、接点の総和で決まるのか

顧客は、企業が発する広告だけを見てブランドの像を結ぶわけではない。商品の使い心地、店頭やサイトの雰囲気、問い合わせへの応対、SNSでの語り口、梱包の丁寧さ、値づけ――こうしたあらゆる接点で受け取った印象が積み重なり、頭の中で一枚の像に合成される。イメージは、どこか一点で作られるのではなく、接点の総和として形づくられる。

ここに、イメージ向上の難しさと勘所がある。広告でどれほど誠実さを謳っても、実際の対応が雑であれば、顧客はその落差を敏感に感じ取り、像はむしろ悪化する。人は言葉より体験を信じるからだ。逆に、派手な発信がなくても、すべての接点で同じ約束が一貫して守られていれば、像は静かに、しかし確実に良い方向へ育つ。つまりイメージを決めるのは、最も声の大きい接点ではなく、最も弱い接点だ。どこか一つで約束を裏切れば、そこが全体の印象を引き下げる。だからイメージ向上は、発信の強化ではなく、接点全体の一貫性を整える営みとして進める必要がある。

— 03 —向上のさせ方――知り、そろえ、直す

手順は三段だ。第一に、現在地を知る。顧客に自由回答で「このブランドをどう思うか」を尋ね、狙った像とのズレを具体的に洗い出す。ここで目指す像を、あらかじめいくつかの言葉――たとえば「誠実」「先進的」「親しみやすい」――で定義しておくと、ズレが測りやすい。第二に、接点をそろえる。顧客がブランドに触れる場面をすべて書き出す接点の棚卸しを行い、それぞれが目指す像と合っているかを点検する。

ここで見つかるのが、像を裏切っている弱い接点だ。「先進的」を掲げながらサイトが古い、「丁寧」を謳いながら返信が遅い――こうした落差を一つずつ直す。第三に、直した結果を測る。イメージ向上は一度で終わらず、知る・そろえる・直すを回し続ける運用である。優先順位は、多くの顧客が通り、かつズレの大きい接点から。すべてを一度に完璧にしようとせず、効きの大きいところから順に手を入れる。発信で塗り固めるのではなく、実体を目指す像に近づける――この順序を守ることが、遠回りに見えて最短の道になる。

— 04 —測るうえでの注意と、次の一歩

測定で注意したいのは、社内の自己評価と顧客の知覚を混同しないことだ。作り手はどうしても自分たちの意図に引きずられ、「伝わっているはずだ」と思い込む。だが測るべきは、あくまで外の頭の中にある像である。自由回答で生の言葉を集め、狙った連想が根づいているかを、自社の時系列で追う。特定の合格点を絶対視するより、施策の前後で像がどう動いたかを読むほうが役に立つ。

そして、イメージはアイデンティティやポジショニングと切り離しては動かせない。何を目指す像とするか自体が曖昧なら、ズレも測れない。だからまず、自社が目指す像を言葉で定義し、いま外からどう見られているかとの差を一度確かめてみることをすすめたい。ズレが見えれば、直すべき接点は自ずと浮かび上がる。

◆ 経営がここから判断すべきこと
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▸ 参考・引用
Highlite 編集部(2026) 「ブランドイメージ 向上」をめぐる解説ノート

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