— 01 —ニュースの概要
日経クロストレンドは「4000万足売れたファミマ靴下 色で広がるIP新戦略の全貌」と題した記事を掲載した。ファミリーマートが展開する衣料ブランド「コンビニエンスウェア」の靴下が累計4000万足に達し、その色づかいを起点に、靴下の外へ展開を広げている取り組みを扱った内容だ。
これまでの報道では、白地に同社のコーポレートカラーである青と緑のラインを入れたソックスが人気の中心とされてきた。今回の記事は見出しのとおり、売れた商品の紹介にとどまらず、色そのものを知的財産のように育てる戦略として位置づけているようだ。
正直、靴下でここまで会社の顔になるとは思っていませんでした。でも考えてみると、あの二本線は毎日店先で見ているんですよね。
— 02 —ロゴより先に、色が覚えられる
コンビニの店頭で靴下を手に取る人は、ブランドの説明を読まない。目に入るのは二本のラインの色だけだ。それでも多くの人がファミマの靴下だと分かる。ファミマがこの色を店舗の看板や制服で何年も使い続けてきたからだろう。新しい商品に色を乗せた瞬間、その蓄積がそのまま効いた。
ここから学べるのは、ブランド資産は新しく作るものより、すでに持っているものを使い切るほうが早いという点だ。色はロゴより小さな面積でも伝わり、靴下のような日用品にも無理なく乗る。ただしそれは、色を変えずに守ってきた判断の積み重ねがあってこそ成り立つ。キャンペーンのたびに色を変える会社では、同じことはまず起きない。
もう一つは、コーポレートカラーを社内の決まりごとで終わらせず、売り物にまで持ち出した経営の判断だ。見た目の手前で何を守るかが決まっていたから、商品の外へ広げても軸がぶれにくいのだと思う。
— 03 —と、いうことで。
まず、自社のコーポレートカラーがいま何か所で使われているかを数えてほしい。看板、名刺、Webサイト、制服、梱包材、社用車と並べると、色が守られている場所と、担当者の好みで別の色に変わっている場所が見えてくる。
数えたら、色が崩れている場所を一つだけ選んで元の色に戻す。全部を一度に直さなくていい。色を資産にする第一歩は、新しい使い道を考えることより、いまある接点で同じ色を出し続けることだ。
- コーポレートカラーが使われている接点を数え、崩れを把握する
- 色の使い方を担当者の好みに任せず、経営の判断として固定する
- 新商品や新事業では、すでにある色資産を先に使えないか検討する