リターゲティング
一度サイトなどに接触した人に対し、あらためて広告を届ける手法。関心を示した相手への再訴求を指す。
意味
リターゲティングとは、一度サイトや商品に接触したものの購入や登録に至らなかった人に対し、あらためて広告を届ける手法を指す。すでに関心を示した相手に絞って再度働きかける点に特徴がある。
初めて出会う相手より反応が得られやすい一方、追いかける印象が強すぎると煩わしさを与えかねない。頻度や期間の設計が、効果と印象の両面で問われる。
ブランドの観点では、再訴求の語り口が信頼を左右する。しつこさとして受け取られれば、獲得の効率と引き換えにブランドへの印象を損なうこともある。
成り立ち
「ふたたび狙う(re-target)」という語に由来する運用型広告の手法で、接触履歴を手がかりに配信対象を絞る仕組みとして広まった。リマーケティングとほぼ同義で用いられる。
リターゲティングとビヘイビアターゲティングの違い
行動ターゲティングは、閲覧や購買の履歴から関心の傾向を推し量って対象を選ぶ。リターゲティングは、自社の接点に実際に触れたという確かな事実で対象を絞る。推定に基づくか、記録に基づくかで根拠の強さが違ってくる。
対象の広さは逆になる。推定で選ぶ方法はまだ自社を知らない層まで広げられるが精度は落ちる。接触済みに絞る方法は精度が高い代わりに、対象は自社に触れた人数を超えて増えない。伸ばしたい方向によって、選ぶ側が入れ替わる。
ビヘイビアターゲティングの項へ →リターゲティングと想起集合(考慮集合)の違い
検討対象群は、相手の頭の中に候補として残っている顔ぶれを指す。リターゲティングが対象にするのは、接点に触れた記録が残っている人という外形上の集合である。両者は重なるが同じではなく、記録は残っていても候補には入っていない人が相当数含まれる。
この差が、反応のばらつきとして表れる。同じ一度訪れた人でも、比較したうえで見送った相手と、間違って開いただけの相手では意味が違う。滞在の長さやどこまで進んだかで分けなければ、候補の外にいる相手へ費用を配り続けることになる。
想起集合(考慮集合)の項へ →使いどころ
接触済みの人を対象に配信し、頻度や期間を調整して再訴求する。新規への訴求と役割を分けて設計する場面が多い。
実務でのチェックポイント
- 配信の対象を、訪問しただけの人と特定の段階まで進んだ人に分けているかを確かめる。分けていなければ意味の違う相手に同じ費用を配っている。
- 配信を止めた期間の成果と、配信していた期間の成果を比べる。差が小さければ、もともと買う人に当てていた可能性がある。
- 自社の商材が検討に要する日数を見積もり、配信期間の設定と突き合わせる。検討の終わった相手まで追い続ける設定なら、効率の前に印象の側で代償が出る。
- 一人あたりの表示回数に上限を置いているかを確認する。置いていなければ、一部の人に極端に偏っている。
よくある誤解
接触済みの相手は反応率が高いため、費用対効果の良い施策として評価されやすい。だがその中には、広告に触れなくても購入した人が相当数含まれている。もともと買う人に当てて成果として数えている分をどう扱うか決めないと、実際より効いているように見え続ける。
もう一つは、追いかける期間を長く取りすぎる運用である。関心が薄れた後も表示が続けば、獲得の効率は下がり、印象の面では逆に働く。検討にかかる期間は商材ごとに違うため、その長さを見立てずに一律の設定を置くと、どちらの面でも損をする。
よくある質問
リターゲティングは嫌がられませんか?
煩わしさを生むのは手法そのものではなく、回数と期間の置き方である。検討の途中に必要な情報が届けば助けになり、購入を決めた後や関心が離れた後まで追ってくれば、同じ広告が付きまといに変わる。表示回数の上限と配信を打ち切る時期を、出稿を始める前に決めておけるかがここを分ける。
購入した人は配信の対象から外すべきですか?
同じ商品を繰り返し買う商材でなければ外したほうがよい。購入済みの相手に同じ訴求を続けても獲得は増えず、費用が減るだけになる。買い替えや追加の購入がある商材なら、時期を見て別の内容へ切り替える形になる。
どのくらいの期間追いかけるのが適切ですか?
自社の商材の検討期間に合わせる。数日で決まる買い物なら短く、数か月かかる商材なら長く取る。判断がつかないなら、実際に受注した案件で最初の接触から決定までにかかった日数を並べ、その散らばり方を目安にする。