パーセプション
顧客や社会が、ブランドや事柄について実際に頭の中に抱いている認識や受け止め方のこと。
意味
発信側の意図ではなく、受け手の頭の中に形成された像を指す。
事実と一致するとは限らず、認識のずれ自体が課題になりうる。
成り立ち
「知覚・認識」を意味する語で、広報やブランド論で受け手側の認識を指して用いられる。
認識の変化を狙う活動はパーセプションチェンジと呼ばれる。
パーセプションとブランドイメージの違い
ブランドイメージはブランドに結びついて蓄積された像を指すのに対し、パーセプションは特定の事柄について、その時点でどう受け止められているかという認識を指す。対象の広さと、抱えている時間の幅が違っている。
使い分けの目安は、変化の速さにある。認識は出来事や報道で短い期間に動きうるが、像は積み重ねの結果であるため簡単には入れ替わらない。直近の受け止めを扱っているのか、長く残った像を扱っているのかで語は分かれる。
ブランドイメージの項へ →パーセプションとレピュテーションの違い
レピュテーションは、第三者の間で言葉になり、他人へ受け渡されている評価を指す。パーセプションのほうは一人の頭の中にとどまっていてよく、隣の人と食い違ったままでも成り立つ。だから前者は誰かが語った跡をたどれば掴めるのに対し、後者は聞き取りや調査で汲み出さなければ表に出てこない。同じ「評価」でも、外に流通しているかどうかで、手の届け方が変わる。
切り分けると、確かめ方が変わる。流通している評価は探せば見つかるが、個々の認識は尋ねなければ現れない。表に出ている声だけを見ていると、口には出さないまま抱かれている受け止めを取りこぼすことになる。
レピュテーションの項へ →使いどころ
望ましい認識と現状の差を測る調査の対象として扱われる。
ポジショニングが実際にどう受け止められたかを検証する際に用いられる。
実務でのチェックポイント
- 自社をどんな会社だと思うかを、取引のない相手に尋ねてみる。既存顧客の答えとの差が、届き方の違いを示している。
- 望ましい認識を一文で書き、現状の答えとどこが違うかを項目で並べる。差を言えなければ、測る対象がまだ定まっていない。
- 認識をつくっている接点を挙げ、発信物以外がどれだけ含まれるかを見る。応対や請求のような地味な接点は抜けやすい。
- 社内の人が思う自社像と、社外から返ってきた答えを並べて読む。隔たりが大きいほど、社内の前提で発信を判断している。
よくある誤解
認識を変えたいとき、まず発信の量を増やす手が選ばれやすい。だが受け手の頭の中の像は、告知だけでなく、問い合わせたときの応対や、知人が漏らした一言からも組み上がっている。語り口を新しくしても、実際に触れた場面が以前のままなら、記憶に残るのは新しい言葉ではなく、その落差のほうである。
もう一つは、認識のずれをそのまま誤解として扱う点である。受け手がそう受け取ったのであれば、そこには受け取らせた材料が存在している。正すべきものと見なす前に、どの接点がその認識をつくったのかを探す順序を踏まなければ、同じずれが繰り返される。
よくある質問
パーセプションはどうやって測ればよいですか?
尋ねて言葉を集める方法と、行動の記録から推し量る方法を組み合わせる形になる。自由に書いてもらった言葉には、選択肢を用意した設問では出てこない語が含まれる。同じ設問を期をまたいで繰り返すと、変化の向きが読み取れる。
認識を変えるにはどのくらいかかりますか?
一度覚えられた認識は新しい情報の解釈にも使われるため、宣言だけでは上書きされにくい。変えるには、その認識と食い違う体験を接点の側で繰り返し届けることになる。所要の期間より、届ける材料が揃っているかで進み方が決まる。
悪い認識は打ち消したほうがよいですか?
打ち消しに回るより、その認識をつくった原因が今も残っているかを先に確かめるほうが実務は進む。解消されていれば、その事実を接点で示すことで徐々に置き換わる。残ったまま説明だけを重ねると、食い違いが増えていくことになる。