あ
体験

オンボーディング

Onboarding

新規の顧客や利用者が、初めての利用で価値を実感するまでを支える過程。

意味

オンボーディングとは、新しく利用を始めた顧客が、製品やサービスの価値を最初に実感し、定着へ向かうまでを支援する過程を指す。登録直後のつまずきや戸惑いを減らし、最初の成功体験へ導くことを目的とする。

獲得した顧客も、初期の体験でつまずけば離れてしまう。オンボーディングは「使い始めから、価値がわかるまで」の橋渡しを担い、この段階の設計が、その後の継続や愛着を大きく左右するとされる。単なる操作説明ではなく、価値への到達を導く体験設計として捉えられる。

成り立ち

英語 on board(乗船して・仲間に加わって)に由来し、新入者を迎え入れて慣れさせる過程を指す語であった。継続利用型のサービスの普及を背景に、新規利用者の定着を支える体験設計を指す語として広く用いられるようになった。

オンボーディングとカスタマーサクセスの違い

カスタマーサクセスは契約期間の全体にわたって成果の実現を支える働きかけであり、オンボーディングはそのうち使い始めの一区間を担う。範囲の広さが違うため、同じ担当者が両方を見ていても、問われる指標と打つ手は分かれてくる。

時間軸で切り分けると迷いにくい。オンボーディングは最初の成功体験までで役目が終わり、そこから先は使い続ける中で成果を広げる話になる。導入直後の離脱が多いのか、しばらく使った後の解約が多いのかで、手を入れる区間が決まる。

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オンボーディングとリテンションの違い

リテンションは顧客が留まっている状態やその割合を指す結果側の言葉であり、オンボーディングは留まる確率を上げるために使い始めへ手を入れる原因側の働きかけである。数字を見て良し悪しを言う立場と、数字を動かす立場の違いにあたる。

同じ枠で語ると、対策が後ろに寄りやすい。解約が見えてから引き止めに動く発想になり、離脱の芽が育つ手前の区間が手つかずのまま残る。留まらなかった相手がいつつまずいたのかを遡って見る習慣があるかで、扱いは変わってくる。

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使いどころ

登録や購入の直後に、顧客が価値へたどり着くまでの体験を設計する場面で用いられる。最初のつまずきをどう減らし、いつ価値を実感してもらうかを起点に、継続や愛着へつなぐ導線を組み立てることが実務上の要点となる。

実務でのチェックポイント

  • 登録から最初に価値を実感するまでに、相手が何回の操作と何日を要しているかを実測する。想定とずれていれば、設計は机上のままになっている。
  • 離脱した利用者が最後に触れた画面を並べ、同じ箇所で止まっていないかを見る。同じ場所が繰り返し現れるなら、説明ではなく構造の問題になる。
  • 初回の案内に並ぶ説明のうち、最初の一つの用事を終えるのに要るものはどれか。後で覚えれば足りる項目が前半に居座るほど、価値に触れる瞬間は遠のく。
  • 使い始めた相手からの問い合わせは、操作の手順が分からないものと、何のためにその操作をするのかが分からないものに割れる。後者が目立つなら、足りないのは説明の詳しさではなく、最初に何ができるようになるかの約束である。

よくある誤解

機能の説明を尽くすことがオンボーディングだと捉えられやすい。案内の量を増やすほど親切に見えるが、使い始めた相手が知りたいのは全体像ではなく、自分の用事を最初に片づける道筋である。説明が厚くなるほど到達が遅れる場合もあり、削ることが改善になる場面が出てくる。

もう一つは、登録の完了をもって受け渡しが済んだと見なす扱いである。契約に至った時点で担当が離れると、価値を実感する手前の最も落ちやすい区間が、誰の担当でもなくなる。売る側と支える側の境目に引き継ぎの空白が生まれていないか、という問いが残る。

よくある質問

オンボーディングはどこまでを範囲と考えればよいですか?

最初の成功体験に到達するまでを一区切りとするのが扱いやすい。日数や画面数ではなく、相手が自分の用事を一度片づけた時点を終わりに置くと、商材が違っても同じ基準で測れる。到達点を決めないまま日数だけで区切ると、支援の中身が定まらない。

無償で使える段階にも必要ですか?

必要になる。試している段階の相手ほど、つまずいた時点で離れる敷居が低い。有償の相手には問い合わせという手段があるが、無償の段階では黙って去る形になりやすく、理由が残らない。むしろ手を入れた効果が見えやすい区間として扱える。

担当者をつけるのと自動化のどちらがよいですか?

つまずきの原因がどこにあるかで決まる。操作の順序が分からないだけなら案内の作り込みで足りるが、自社の状況に合わせて何をすべきか判断できない場合は、人が入らないと進まない。全員に同じ手厚さを配るのではなく、詰まる箇所の性格で分ける。

この項目は、ブランディング支援会社 Highlite Inc. 編集部が執筆・監修しています。
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