ま
運用

メディアミックス

Media Mix

複数の媒体を組み合わせて情報を届ける考え方。各媒体の特性を活かし、相乗効果で届き方を高める。

意味

メディアミックスとは、単一の媒体に頼らず、複数の媒体を組み合わせて情報を届ける考え方である。それぞれの媒体が持つ得意な役割を活かし、全体として届き方を高めることを狙う。

たとえば広く知らせる媒体と、深く伝える媒体を組み合わせるといった具合に、役割の異なる接点を重ねる。ブランドの一貫した約束を、複数の媒体をまたいでも崩さずに届けられるかが要点となる。

成り立ち

「メディアミックス(media mix)」は「媒体(media)」と「組み合わせ(mix)」からなる語で、複数媒体の配分・組み合わせを指す。広告出稿の設計に関わる語として用いられ、媒体ごとの役割分担を論じる文脈で定着した。

メディアミックスとオムニチャネルの違い

メディアミックスは、情報を届ける媒体をどう組み合わせるかという発信側の設計である。オムニチャネルは、顧客が購入や問い合わせに使う経路をつなぎ、どこから入っても同じ体験になるようにする受け手側の設計を指す。伝えるための組み合わせか、買うための接続かで分かれる。

連携の深さも異なる。メディアミックスは、テレビと交通広告が互いを知らないまま動いていても、受け手の側で像が重なれば目的を果たす。一方の経路の接続では、在庫の数や購入履歴が実際に行き来していなければ、体験は途中で切れる。前者は表に出る面の設計で足りるが、後者は基幹の側に手を入れる話になる。

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メディアミックスと統合型マーケティングコミュニケーションの違い

統合型マーケティングコミュニケーションは、複数の接点で伝わる内容を一つの方針のもとに揃える考え方であり、メディアミックスは、その中で媒体の配分と組み合わせを扱う部分にあたる。何を言うかを揃える話と、どこで言うかを配る話の関係になる。

順序を取り違えると、精緻になるのは配分の表だけである。テレビに何割、交通広告に何割と詰めていっても、そこに載る言葉が媒体ごとに違う約束を語っていれば、接触が増えるほど輪郭は薄れていく。何を揃えて言うのかが先にあり、どこにいくら載せるかは、その後に決まる。

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使いどころ

「メディアミックスを組む」といった形で、複数の媒体を役割に応じて配分・連携させる文脈で用いられる。単発の出稿ではなく、全体の届き方を設計する発想と結びつく。

実務でのチェックポイント

  • 使っている媒体を並べ、それぞれに与えた役割を一行で書けるかを試す。書けない媒体は、惰性で残っている可能性がある。
  • 各媒体で使っている言い回しを並べ、約束の中身が同じかを読み比べる。媒体に合わせた調整と、別の約束を語ることは違う。
  • ある媒体をやめたと仮定して、何が届かなくなるかを言えるかを確かめる。言えないなら、その媒体の役割は決まっていない。
  • 今年の配分表を昨年のものと重ねてみる。数字がほぼ同じなら、根拠は役割ではなく前年の実績にある。比率が動いた媒体があるなら、その動きを役割の変化として語れるはずである。

よくある誤解

出稿先が複数あるという状態を、そのままメディアミックスと呼んでしまう例は多い。だが、それぞれの媒体に何を担わせているのかを言葉にできないなら、束ねたのは予算の行き先だけである。広く名前を知らせる媒体、腰を据えて理由を伝える媒体、最後のひと押しを担う媒体。この役割分担を口に出して語れるところから、組み合わせは設計になる。

もう一つは、媒体ごとの成果を足し合わせて全体を評価する扱いである。手前で名前を知らせた媒体の働きは、最後に接触した媒体の数字に吸い込まれるため、貢献の見え方が偏る。個々の数字を並べる前に、どの媒体に何を期待していたのかを書いておかないと、期待通りかを判定できない。

よくある質問

媒体はいくつ組み合わせるのが適切ですか?

数より、それぞれに別の役割を与えられるかで決まる。同じ役割の媒体を並べても接触の重複が増えるだけで、届く範囲は思ったほど広がらない。役割を言えなくなった時点が上限で、そこから増やすなら、すでにある媒体のどれかを外すことと合わせて考えることになる。

予算が少ない場合はどう組み立てますか?

広げるより、順序を決めるほうが効きやすい。限られた額を薄く配ると、どの媒体でも記憶に残らない量になりやすい。誰に何を最初に届けるかを一つ決め、その媒体で手応えが出てから隣を足していく組み立てにすると、少ない額でも役割ごとの効き目を確かめられる。

デジタルだけで完結させてはいけませんか?

完結させてよい場合もある。判断の基準は媒体の新旧ではなく、狙う相手が実際にどこで情報に触れているかにある。触れる場所が限られているなら絞るほうが濃くなるし、複数にまたがっているなら、そのどれかを欠くと届かない相手が残る。相手の側から決める順序になる。

この項目は、ブランディング支援会社 Highlite Inc. 編集部が執筆・監修しています。
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