あ
構造

インハウスデザイン

In-house Design

デザイン機能を外部委託せず社内に持つ体制。事業への理解を蓄積し、判断の速さと一貫性を保ちやすくする。

意味

インハウスデザインとは、デザインの機能を外部の制作会社に委ねず、社内の人材や組織として抱える体制を指す。事業やブランドへの理解が組織内に蓄積され、判断の速さや表現の一貫性を保ちやすくなる点が利点とされる。

一方で、社内だけに閉じると視野が狭まる懸念もあり、外部の知見をどう取り入れるかが課題になる。内製と外部委託は対立ではなく、役割に応じて使い分けられるものとして捉えられる。

成り立ち

デザインを内製化する動きは、デザインを継続的な経営資源として扱おうとする流れのなかで注目されてきた。デザイン経営の議論でも、社内にデザイン機能を持つことの意義が論じられている。

インハウスデザインとデザイン組織の違い

デザイン組織は社内のデザイン機能をどう束ね、どこに置くかという構造の話であり、インハウスデザインは制作の担い手を社外に置くか社内に置くかという調達の話である。内製に踏み切っても、置き場所と権限が決まっていなければ組織にはならない。

順序で言えばインハウス化が手前にある。人を採った後で、誰の下につけるか、どの案件から関与させるかを決める段階でデザイン組織の議論に移る。採用の可否だけを論じて配置を後回しにすると、社内にいるのに外注と同じ使われ方をする状態が残る。

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インハウスデザインとデザイン人材の違い

デザイン人材が指すのは個人の技能と視点であり、インハウスデザインが指すのはその個人を抱えて働かせる体制の側である。腕のある人を採っても、意思決定の場に呼ばれず制作の下請けに置かれれば内製は機能しない。逆に席と肩書だけ用意しても、任せる裁量のない場所では技能は伸びない。人の議論と器の議論は、はじめから別の問いである。

見分けるには、うまくいっていない原因をどちら側に置くかを問う。出てくる案の質が低いなら人の側、質は高いのに事業の判断に届いていないなら体制の側にある。前者は採用や育成で動くが、後者は関与する時期と権限を変えないと動かない。

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使いどころ

「インハウスデザインの体制を整え、ブランドの一貫性を担保する」のように、内製の意義を語る文脈で用いられる。外部委託と対比して使われることが多い。

実務でのチェックポイント

  • 直近の案件で、デザイン担当が最初に呼ばれた時点を確かめる。要件が固まった後なら、社内にいても外注と同じ使われ方になっている。
  • 社内のデザイナーが差し戻せる判断がどれかを挙げる。何一つ止められないなら、体制ではなく作業の受け皿として置かれている。
  • 外部に出している仕事を並べ、専門性ゆえに出しているのか、量が捌けずに出しているのかで仕分ける。後者ばかりなら内製の設計が足りていない。
  • 案件が途切れた期間に何をしていたかを振り返る。手が空くたびに雑務で埋めているなら、抱える仕事の設計を見直す対象になる。

よくある誤解

内製化するとコストが下がるという理解が先に立ちやすい。外注費は見積書として目に見えるが、採用、育成、手が空いた期間の人件費は事業部の予算に紛れて見えにくい。比べるなら、量の変動が大きい仕事を安定して抱えられるかまで含めて見る必要がある。安くなるかではなく、抱える価値のある仕事かで判断する。

もう一つは、社内にデザイナーがいることを内製と同義に扱う誤りである。依頼書を受け取って形にするだけの関わり方であれば、席が社内にあっても外注と変わらない。内製の利点とされる判断の速さや文脈の蓄積は、企画が固まる前の段階から関わっているときにだけ生まれる。関与の時期が、体制の実質を決める。

よくある質問

インハウスデザインと外部委託はどちらが良いですか?

良し悪しではなく、繰り返し起きる仕事かどうかで分かれる。毎週のように判断が要る領域は社内に置くほど速くなり、数年に一度の大きな刷新は外部の視点を入れたほうが視野が広がる。どちらかに寄せるのではなく、頻度で線を引くと配分が決めやすい。

何人からインハウス体制と言えますか?

人数では決まらない。一人でも、企画の段階から呼ばれて判断に関われていれば体制として働く。逆に数人いても依頼を待つだけなら機能していない。判断する場に席があるかどうかが目安になり、規模はその後で増やす話になる。

社内だけだと表現が似通ってきませんか?

起きうるが、原因は社内にいること自体ではない。同じ人が同じ判断者と同じ手順で作り続けることで幅が狭まる。定期的に外部の制作者と組む、他の領域の作り方に触れる時間を持つといった手当てで補える。閉じるかどうかは、体制ではなく運用で決まる。

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この項目は、ブランディング支援会社 Highlite Inc. 編集部が執筆・監修しています。
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