キャッチコピー
受け手の注意を引きつけるために掲げる短い言葉。広告や販促で関心を捉える役割を担う。
意味
キャッチコピーとは、受け手の注意を引きつけるために掲げる短い言葉を指す。広告や販促の場面で、まず関心を捉え、続きへと引き込む入口の役割を担う。
この言葉は、その時々の訴えたい内容に合わせて作られることが多く、商品やキャンペーンごとに変わりうる。長く掲げてブランドの姿勢を示すタグラインとは、役割の重心が異なる。
短さの中に驚きや共感の要素を込め、受け手の頭に残るかどうかが問われる。伝える情報の多さよりも、注意を捉える力が重視される表現である。
成り立ち
catch(捉える)と copy(広告文)を組み合わせた和製英語で、注意を捉える広告の文句を指す語として定着した。
広告表現の中で、受け手の関心を最初に引き寄せる一文の役割が意識される中で、独立した呼称として広く使われるようになった。
キャッチコピーとタグラインの違い
タグラインはブランドの姿勢を長く掲げ続ける一文で、キャッチコピーはその時々の訴求に合わせて差し替えられる。掲げる期間が違うため、良し悪しの基準も違う。前者は何年経っても同じ意味に読めるか、後者はその場で足を止めさせられるかで問われる。
どちらを作っているかは、次に変えるのはいつかを問うと分かる。次の商品が出たら書き換える前提の言葉はキャッチコピーで、商品が変わっても残す前提の言葉はタグラインになる。一つの言葉で兼ねようとすると、どちらの役割も中途半端になりやすい。
タグラインの項へ →キャッチコピーとコピーライティングの違い
コピーライティングは伝える言葉を組み立てる仕事の全体で、キャッチコピーはその中で入口を担う一文を指す。見出しだけが練られていて、その後に続く文章が用意されていない状態は、注意を引いた相手を受け止める先がないことになる。
確かめられる場所も分かれる。入口の一文は目に触れた瞬間の反応で見当がつくが、続く文章の出来は、読み進めた先の行動にしか現れない。反応は良いのに次に進まないときは、直すべきは見出しではなく、その後ろに置かれた言葉のほうになる。
コピーライティングの項へ →使いどころ
キャッチコピーは、広告やキャンペーンで受け手の関心を引く一文を用意する場面で用いられる。何を最初に伝え、どう続きへ誘うかを設計する。
コピーライティングやタグラインと並べて捉えると、目的や掲げる期間の違いから役割を整理しやすくなる。
実務でのチェックポイント
- 候補の一文から商品名とロゴを伏せ、業界の外にいる人に何の広告か言い当ててもらう。見当がつかないまま読み飛ばされるなら、その一文はまだ続きへ引き込む入口を作れていない。
- その一文の後に何を読ませたいかを一行で書く。書けないなら、注意を引いた後の受け皿が用意されていない。
- 競合の広告の見出しと自社の候補を混ぜて並べ、入れ替えても成立してしまわないかを確かめる。
- 掲げる期間を先に決める。次の商品まで持たせるのか、この施策限りかで、選ぶべき言葉は変わる。
よくある誤解
短くて印象に残れば良いコピーだ、という評価に寄りやすい。覚えられたことと、何の話か分かったことは別で、語感だけが残って商品名も内容も思い出されない状態はよく起きる。印象の強さを確かめるときは、覚えているかと同時に、何の広告だったかを併せて尋ねる必要がある。
社内で最も好まれた案が最も強い、という選び方も誤解を招く。社内の人は商品の背景を知っているため、説明の足りない一文でも意味を補って読める。前提を知らない相手が同じ言葉から何を受け取るかは、知っている人だけで検討している限り確かめようがない。
よくある質問
キャッチコピーとタグラインは同じ言葉でもよいですか?
兼ねられる場合もあるが、条件がある。扱う商品が一つで、訴えたい内容が長期にわたって変わらないときに限られる。商品が増えたり訴求が変わったりする前提があるなら、その場の注意を引く言葉と長く掲げる言葉は分けて持つほうが揺れない。
コピーは短いほど良いのですか?
短さは目的ではなく条件の一つにすぎない。目に触れる時間が短い場所では短さが効くが、検討に時間をかける商材では、短くしすぎると判断に必要な手がかりが落ちる。掲出される場所と、読み手がそこで使える時間から逆算して長さを決めることになる。
コピーは誰が決めるのがよいですか?
案を出す人と決める人を分けておくほうが早い。書き手が自分で選ぶと、書いたときの意図を補って読んでしまう。決める側は、意図の説明を聞く前の状態で候補を見る機会を作ると、前提を知らない受け手に近いところから判断できる。