話題性
人々の関心を引き、会話や共有を誘発しやすい度合い。SNSでの拡散されやすさを表す概念。
意味
商品や広告、出来事などが、どれだけ語られ広まりやすいかという性質を指す。
内容の意外性・共感・時宜性などが、話題化の起点になりやすいとされる。
成り立ち
口コミやバイラルマーケティングへの関心を背景に、拡散のしやすさを表す言葉として広まった。
SNSの普及により、話題性が可視化・数値化されやすくなったことも用語の定着を後押しした。
話題性とバイラルマーケティングの違い
バイラルマーケティングは、広がることを狙って仕掛ける手法の側を指す。話題性は、対象そのものが持つ語られやすさという性質の側を指す。仕掛けても素材に語られる要素がなければ広がらないため、手法と性質は分けて確かめる対象になる。
評価する時点も違う。手法は、実施した後に広がりの度合いで結果を見る。性質は、出す前に、これは人に伝えたくなるかという形で見積もれる。企画の段階で問えるのは性質のほうであり、そこが弱いまま仕掛けを厚くしても費用が膨らむ。企画の段階で問えるのは、性質の側になる。
バイラルマーケティングの項へ →話題性とシェアオブボイスの違い
シェアオブボイスは、市場の中で自社がどれだけの声量を占めているかという量の指標である。話題性は、少ない露出でも語られてしまう性質を指す。量を積んで得た占有と、性質によって生じた広がりでは、同じ数値でも背景が違う。同じ数値でも、背景が違えば読み方も変わる。
切り分けの手がかりは、出稿や発信を止めたときに何が残るかにある。声量による占有は止めれば速やかに下がるが、語られる性質を持つ話題は、送り手が黙っても人づてに残り続ける。持続の仕方の違いが、両者を見分ける実務的な目安になる。止めた後に何が残るかが、両者を分ける。
シェアオブボイスの項へ →使いどころ
キャンペーンの企画時に、話題性を狙うか、確実な到達を優先するかを検討することがある。
話題性は注目を集める一方で、ブランドの意図と離れた形で広がる可能性もある。
実務でのチェックポイント
- 企画を一文で人に伝えたときに、相手が誰かに話したくなるかを社内で試す。要約に耐えないものは、伝言の途中で消える。伝言に耐える長さまで削れているかを見る。
- 拡散した投稿の引用や転載をたどり、社名や商品名が本文から切り離されずに付いて回っているか追ってみる。中身だけが独り歩きして出所が消えていれば、話題は他人の資産として積み上がる。
- 広がった投稿や記事を文脈ごとに仕分け、好意的なもの以外の割合を出す。合計だけを見ていると判断を誤る。賛否の比率を別々に持っておく。
- 話題が過ぎた後に何が残るかを事前に決めておく。受け皿となる場所がなければ、集まった関心はその日のうちに散る。問い合わせや購入の導線が用意できているかを見る。
よくある誤解
話題になった量を、そのまま成果として数えてしまう扱いが多い。だが語られた回数の中には、賛同も揶揄も無関係な引用も混ざる。どんな文脈で語られたかを分けずに合計すると、意図と離れた広がりが起きているときほど数値が大きく出るという逆転が生じることがある。文脈ごとに分けて数えないと、この逆転は見えないままになる。
拡散しやすい素材と、売上に返ってくる素材を同一視する誤りもある。人が引用したくなるのは意外さや笑いであって、商品の使い勝手とは別の場所にある性質である。投稿は伸びたのに、社名も商品も添えられないまま流れていったという結末は、素材を選ぶ段階で商材との接ぎ目を作らなかったところに原因がある。広がる力と、買う理由になる力は、それぞれ別に見立てを立てるべきものである。
よくある質問
話題性は狙ってつくれますか?
確度は上げられるが、当たりを保証する類のものではない。人に伝えたくなる要素には、意外さ、共感、その人が語ることで自分を表せることなどが挙げられ、それらを備えているかは事前に点検できる。ただし何が受け取られるかは時機にも左右され、外れる余地は残る。
炎上と話題性はどう違いますか?
広がる仕組みは似ているが、残るものが逆になる。語られる量が増える点は同じでも、否定的な文脈で共有された記憶は、後の判断に不利に働く。狙う際の目安は、拡散したときに語られる言葉が自社の説明として通用するかどうかに置くと外しにくい。量の大きさだけを見て成功と判断しない。
話題性と着実な到達はどちらを優先すべきですか?
届ける相手と内容が定まっているなら、到達を取るほうが噛み合う。話題性は伸びる幅が読めず、誰の目に入るかも選べないからである。発売日や仕様のように取り違えられては困る情報は、狙った層へ確実に置ける手段で運ぶ。逆に、名前そのものがまだ知られておらず、まずは覚えてもらう段階なら、振れ幅を引き受けてでも話題性に賭ける意味がある。