— 01 —ニュースの概要
日経ビジネス電子版は、ESGブランド調査を題材にした新連載を始めた。初回の見出しは、トヨタが調査で2連覇を果たし、脱炭素について「全方位戦略」を訴求していると伝えている。EVに一本化するのではなく、複数の技術や手段を並行して進める同社の姿勢を指す言葉だ。
見出しから読み取れる範囲では、環境や社会への取り組みがブランドとしてどう受け止められているかを、上位企業の打ち出し方から読み解く連載と位置づけられる。順位そのものより、評価を得た企業がどんな語り方をしているかに光を当てる切り口になっている。
正直、取り組みが増えるほど「で、結局なにがしたい会社なの?」と聞かれがちなんですよね。理由が一本通っていると、それだけで話がすっと入ってくる気がします。
— 02 —「全方位」は、迷いではなく判断基準の宣言になりうる
選択肢を絞らない戦略は、外から見ると決めきれていないように映ることもある。それでも「全方位」がブランドとして受け止められたのは、複数の道を持つこと自体に一本の理由が通っているからだろう。地域ごとに事情が違う顧客に、それぞれ現実的な手段を届けるという考え方が、どの技術の説明にも共通して流れている。
ここから学べるのは、ESGの評価を左右するのが施策の数や派手さより、説明の一貫性だということだ。取り組みが多い企業ほど、個々の施策をばらばらに発信してしまいがちになる。逆に言えば、施策が多くても「なぜそれを選ぶのか」が一文で揃っていれば、受け手には一つの姿勢として届く。
ブランドを見た目の手前にある判断基準と捉えると、この構図はわかりやすい。サステナビリティの発信も、統合報告書の一節も、店頭のメッセージも、同じ判断から出ていると感じられたとき、ESGはCSRの別枠ではなくブランドの中心に入ってくる。
— 03 —と、いうことで。
まず、自社がいま外部に発信しているESG・サステナビリティ関連の取り組みを、一枚に書き出してほしい。ウェブサイト、報告書、採用ページ、プレスリリースから拾えば十分だ。
そのうえで、各取り組みの横に「なぜそれを選んだか」を一文ずつ書き添える。理由が三つも四つもばらばらに並ぶなら、それが次に揃えるべき論点になる。共通する一文が見つかったら、それを次の発信の冒頭に置いてみる。施策を増やす前に、理由を一本にすることから始めたい。
- ESG関連の取り組みを一覧にし、選んだ理由が揃っているか確かめる
- 施策を増やす前に、共通する判断基準を一文で言語化する
- サステナビリティの発信をブランドの判断基準と同じ言葉でつなぐ