さ
現代

サステナビリティ

Sustainability

環境・社会への持続可能な配慮。ブランドの姿勢として、掲げるだけでなく行動で示せるかが信頼を分ける。

意味

サステナビリティは、環境や社会に対する持続可能な配慮を指す。資源や地域社会を損なわずに事業を続けられるかという問いであり、ブランドにとっては掲げる価値観であると同時に、日々の行動で試される姿勢でもある。

ブランドの文脈では、標語として掲げるだけでは信頼につながりにくい。言葉と実際の行動が一致しているか、都合のよいときだけの表明になっていないかが、受け手の目によって静かに見定められる。

言葉が行動に先行しすぎると、実態の伴わない表明として反発を招くことがある。掲げた姿勢を接点の隅々まで一貫させられるかどうかが、この価値観をブランドの信頼へ変えられるかの分かれ目になる。

成り立ち

英語の sustain(持ちこたえる・支え続ける)に由来し、「持続可能性」と訳される。環境・社会・経済の長期的な両立を問う概念として広く用いられ、ブランドの現代的な価値表明のひとつとして語られるようになった。

サステナビリティとブランドパーパスの違い

ブランドパーパスは、そのブランドが何のために存在するのかという自己規定であり、サステナビリティは、事業を続けるうえで環境や社会にどう向き合うかという姿勢である。前者は固有の答えで、後者は業種を問わず共通して問われる。答えの性質が違う。

混ぜると、どの会社でも言える内容が存在理由の位置に置かれてしまう。配慮そのものは他社と共有される前提であり、そこに固有性はない。存在理由として掲げるなら、なぜ自社がその配慮を選ぶのかまで自社の言葉で言えるかが分かれ目になる。

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サステナビリティとコーズマーケティングの違い

コーズマーケティングには始まりと終わりがある。大義と売上を結びつけ、期間と対象を定めて実施し、期日が来れば畳まれる施策だからである。サステナビリティのほうは畳めない。キャンペーンが走っていない月の調達先の選び方や、値上げの判断にまで及ぶ。期間で括れる施策と、括れない姿勢の違いである。

取り違えが起きるのは、施策の実施をもって姿勢の証明とみなす場面である。期間限定の取り組みが終わった後に、調達や働き方が以前のままなら、受け手は施策のほうを演出として読み直す。姿勢は施策の外側で確かめられている。

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使いどころ

自社の姿勢や存在理由を社会との関係のなかで語りたいときに、掲げる価値のひとつとして扱われる。ブランドパーパスと結びつけて、なぜその配慮を選ぶのかまで語れると、表明が像として定着しやすい。

運用では、掲げた言葉と実際の行動のずれが最も像を損なう。表現・調達・接客といった各接点で一貫して体現できる範囲を見極め、行動が追いつく分だけを語る節度が信頼を支える。

実務でのチェックポイント

  • 掲げている表明のうち、社内の誰かが今日の業務で判断を変える根拠になっているものがあるかを確かめる。一つもないなら表明にとどまっている。
  • 取り組みを説明する文章から、実際に行っている行動だけを残して読み直す。残った量が少ないなら、意志の表明が行動を追い越している。
  • 自社の姿勢と矛盾しかねない取引や販売方法が残っていないかを洗い出す。見つかったときに止められる立場の人が決まっているかも確かめる。
  • 調達先や廃棄の実態を突かれたとき、誰が何をどこまで答えるのか。返答の担い手も線引きも用意がないうちは、掲げる範囲を自社が説明しきれる分まで絞るほうが安全である。

よくある誤解

掲げないほうが安全だ、という判断も起きやすい。批判を避けるために語らない選択は、短期には摩擦を生まないが、実際に取り組んでいることまで伝わらなくなる。語る範囲を狭めるのと、語ること自体をやめるのは別で、行動が及んでいる範囲だけを具体的に語る道は残っている。

調達や製造の話に限られると受け取られることも多い。だが働き方、取引先への支払い条件、広告での見せ方といった場面にも同じ姿勢は表れる。目立つ工程だけを整えて他が伴わないと、詳しい相手ほど不揃いに気づく。どこまでを自社の範囲として引き受けるかを先に決めておくことになる。

よくある質問

小さな企業でもサステナビリティを掲げる意味はありますか?

規模より、行動と言葉の距離が近いことが効いてくる。判断の数が少ないぶん、掲げた姿勢を実際の取引や作り方へ反映させやすい。大きく掲げる必要はなく、自社が確実に守れる範囲を具体的に示すほうが、受け手には確かめやすい形で伝わる。

取り組みをどこまで発信してよいですか?

すでに実行し、続ける見通しがある範囲までにとどめる。目標や検討中の構想を実績と並べて語ると、受け手には区別がつかず、達成できなかった場合に全体の信頼が下がる。これから取り組むことは、そう分かる書き方で分けて置くほうが後の説明が楽になる。

コストが増えても取り組むべきですか?

全方位に広げるかどうかではなく、自社の事業と結びつく領域を選ぶ問題になる。売っているものや作り方と関係の薄い活動は、費用が続かなくなった時点で止まり、掲げた姿勢だけが残る。事業を続ける限り自然に続けられる領域を選ぶと、負担の議論は起きにくくなる。

参考文献

World Commission on Environment and Development(1987) Our Common Future(ブルントラント報告)
この項目は、ブランディング支援会社 Highlite Inc. 編集部が執筆・監修しています。
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