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戦略

類似性

Similarity

自ブランドと他との共通点。競合の枠組みに属していると認識させ、選択肢に入る条件を満たす要素。

意味

類似性とは、自ブランドと同じ分類の他ブランドとの間にある共通点を指す。差異ばかりが注目されがちだが、まず「同じ土俵にいる」と認識されるための共通点も欠かせないという考え方である。

ある分野で当然備えるべき要素を満たしていないと、そもそも比較の対象にすら入らないことがある。差別化の前提として、最低限の共通点で選択肢に入る条件を満たす必要がある。

ブランドの観点では、類似性は差別化と補い合う関係にある。共通点で選択肢に入り、相違点で選ばれるという二段構えが、ポジショニングの設計を支える。

成り立ち

ポジショニングの議論において、差別化の要素(point of difference)と対に、分類への帰属を示す要素(point of parity)を置く整理のなかで論じられてきた。共通点と相違点を分けて捉える見方に由来する。

類似性と差別化の違い

差別化が他と違う点をつくる作業だとすれば、類似性は同じ分類に属していると認めてもらうための条件を満たす作業になる。順序としては類似性のほうが先に来る。比較の土俵に上がれていない相手に対しては、どれだけ独自の点を並べても、その独自性を読み取る枠組み自体が相手の側に用意されていない。

見分けの軸は、欠けたときに何が起きるかにある。類似性が欠けていれば候補にすら入らず、差別化が欠けていれば候補には残るものの価格や条件で比べられる。選ばれない理由を探すときは、入口で外れているのか、並んだうえで負けているのかを先に切り分ける必要がある。

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類似性とポジショニングの違い

ポジショニングは受け手の頭の中でどの席を占めるかという到達点であり、類似性はその席が置かれている部屋に入れてもらうための条件にあたる。部屋に入っていない状態では、どの席を狙うかという議論そのものが成り立たない。両者は同じ設計の前段と後段に並んでいる。

迷ったときは、話題が「何の仲間だと思われているか」なのか「仲間の中でどう見分けられているか」なのかを確かめるとよい。前者が類似性の領域で、後者がポジショニングの領域になる。新しい分類を名乗ろうとする場合ほど、前者に割く手数が大きくなる。

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使いどころ

差別化を語る前段として、まず同じ分類に属すると認識させる共通点を確認する。相違点だけを追う設計への対比として引かれる。

実務でのチェックポイント

  • 見込み客が自社を何の分野の会社として説明しているかを、実際の商談で出た言葉のまま拾う。想定した分類と違っていれば、比べられている相手も違っている。
  • 同業各社が当然のように載せている項目を並べ、自社のサイトや資料で欠けているものに印をつける。欠落は、差別化ではなく怠慢として読まれることがある。
  • 失注案件を、条件を満たさず候補から外れたものと、比較のうえで負けたものに仕分ける。前者が多いなら、手を入れる場所は前提の側にある。
  • 自社が業界の常識と違うと誇っている点を挙げ、それが顧客にとっても不要な常識かを確かめる。送り手だけが不要と考えている場合がある。

よくある誤解

類似性を「他社の真似」と同じ意味に受け取ってしまう誤解が起きやすい。実際には、その分野で当然備わっているはずの要素を欠かさないという話であって、独自性を捨てる話ではない。真似かどうかの分かれ目は、その要素が競合固有の工夫なのか、分野全体で期待されている前提なのかにある。前提を満たすことは模倣には当たらない。

もう一つは、類似性を満たせば満たすほど有利になるという読み方である。前提条件は満たした時点で役割を終え、それ以上積み増しても選ばれる理由には変わらない。満たすべき水準を超えた投資は、差別化に回せたはずの資源を前提の側に固定してしまう。どこまでが前提かを見極める作業が常に伴う。

よくある質問

類似性を高めると差別化が弱まりませんか?

弱まらない。両者は同じ軸の上で綱引きしているわけではなく、働く場面が違う。類似性は候補に入る手前で効き、差別化は候補に入った後で効く。同じ資源を奪い合っているように見えるときは、前提として満たすべき水準を実際より高く見積もっている可能性がある。

新しい分野をつくる場合も類似性は必要ですか?

むしろ負担は大きくなる。既存のどの分類にも属さない提案は、受け手が何と比べればよいか分からず、判断そのものを保留されやすい。既知の分類を足がかりにして、その一種だがここが違う、と説明する形にすると、比較の枠組みを相手の側に用意できる。

どこまでが満たすべき前提かはどう判断しますか?

受け手が確認をやめる地点で判断する。問い合わせや商談で繰り返し尋ねられる項目は、まだ前提として認められていない証拠になる。逆に誰からも聞かれなくなった項目は、満たしていることが伝わっている。質問の頻度が、前提の線引きを教える材料になる。

この項目は、ブランディング支援会社 Highlite Inc. 編集部が執筆・監修しています。
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