ヒートマップ
画面上のクリックや視線、滞在などの集中度合いを、色の濃淡や暖寒で可視化する分析表現。
意味
利用者の行動が集まる箇所を暖色、少ない箇所を寒色などで表す。
どこが見られ、どこが無視されているかを直感的に把握できる。
成り立ち
数値の分布を色で表す可視化手法が、ウェブ解析やUI評価に応用されたもの。
クリック・スクロール・視線などの種類ごとに用いられる。
ヒートマップとユーザーテストの違い
ユーザーテストは実際に操作してもらいながら詰まる箇所とその理由を観察する方法であり、ヒートマップは多数の行動が集まった結果を画面上の分布として示す。理由が分かる代わりに人数が少ないか、人数が多い代わりに理由が分からないかで分かれる。
使い分けは、問いの形で決まる。どこで起きているかを知りたい段階では分布が向き、なぜ起きているかを知りたい段階では観察が向く。分布で見つけた箇所を観察で確かめるという順序で組み合わせると、互いの弱い部分が埋まる。
ユーザーテストの項へ →ヒートマップとジャーニーマップの違い
ジャーニーマップは複数の接点をまたいだ体験の流れを描くのに対し、ヒートマップは一つの画面の中で関心がどこに集まったかを示す。扱う範囲が、接点をまたぐか、画面の内側に閉じるかという点で違っている。
取り違えると、直す場所を誤る。画面の中でいくら手を入れても、そこへ至るまでの経路や、その後に続く手続きに原因がある場合は動かない。分布に現れるのは、すでにその画面へたどり着いた人の行動に限られる。
ジャーニーマップの項へ →使いどころ
ランディングページの改善点を探る場面で参照される。
導線や訴求要素の見られ方を検証する際に用いられる。
実務でのチェックポイント
- 読み取った箇所について、その解釈が正しいかを実際の操作の観察で確かめる。分布だけで原因を断定していないかを見る。
- 集計した期間の訪問数を確認する。人数の少ない期間の分布は、傾向ではなく個々の動きを映していることがある。
- 画面の種類ごとに分けて見る。入口として使われている画面と、比較のために戻ってくる画面では、集中の意味が違う。
- 端末の違いで分けて読む。画面の大きさが変われば見える範囲も変わるため、混ぜたままでは平均された像になる。
よくある誤解
よく見られている箇所を良い状態だと読みやすいが、注目が集まる理由には分かりにくさも含まれる。読み返しや迷いが起きている箇所も、同じように濃く現れる。集中している事実だけでは、うまくいっているのか詰まっているのかは判別できない。
もう一つは、訪問数の少ない期間で読んでしまう点である。分布は人数が少ないほど個々の動きに引きずられ、たまたまの操作が傾向のように見えてくる。色の濃淡は判断しやすい見た目をしているため、母数の確認が省かれやすい。
よくある質問
ヒートマップはどのくらいの期間で見ればよいですか?
日数ではなく、対象の画面に十分な人数が集まったかで区切るほうが読み違えにくい。訪問の少ない画面では、期間を延ばして母数を確保することになる。期間を固定して比べたい場合も、人数の近い条件で並べる必要がある。
クリックされていない箇所は削ってよいですか?
操作されていないことと、不要であることは別になる。読まれてはいるが押す必要のない情報もあり、削ると判断の材料が失われる場合がある。押されていない要素は、まず位置や見せ方を変えて反応が動くかを試す対象になる。
スマートフォンとパソコンは分けて見るべきですか?
分けたほうが読める。画面に収まる範囲も、指で触れる場合と手元の器具で操作する場合の精度も違うため、同じ位置でも意味が変わる。混ぜて集計すると、どちらの傾向でもない平均が現れ、直す場所の判断がつかなくなる。