た
構造

ダブルダイヤモンド

Double Diamond

課題の探索と定義、解決の発想と実行を、発散と収束の二つの菱形で表したデザインプロセスの型。

意味

ダブルダイヤモンドとは、デザインの進め方を二つの菱形(ダイヤモンド)で図式化したプロセスモデルを指す。前半の菱形で「正しい課題」を探し当て、後半の菱形で「正しい解決」を練り上げるという二段構えになっている。

各菱形はいったん広げてから絞り込む、すなわち発散と収束の一往復を表す。問題の理解を急がず、まず十分に広げてから定義へ絞るという規律を、視覚的にわかりやすく示す点が特徴である。

成り立ち

英国のデザインカウンシル(Design Council)が2005年に提示したモデルとして知られ、Discover・Define・Develop・Deliverの四段階で説明されることが多い。

ダブルダイヤモンドと発散と収束の違い

発散と収束は、選択肢を広げてから絞るという一往復の動きそのものを指す。ダブルダイヤモンドは、その往復を課題の側と解決の側で二度繰り返すという構成を示す型である。前者は動きの単位、後者はその単位の並べ方にあたる。

実務で効くのは、二度目があると分かっている点にある。一度の往復しか想定しないと、課題を広げる段階で解決案の良し悪しまで論じてしまう。いま広げているのは課題なのか解決なのかを言えることが、型を使う実質になる。

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ダブルダイヤモンドとデザインスプリントの違い

ダブルダイヤモンドは進行の形を示す図で、デザインスプリントは日程として設計された具体の手順である。前者は期間を規定せず、後者は日数を区切ることそのものが仕掛けになっている。図は地図、スプリントは行程表にあたる。

使い分けの目安は、時間の扱いにある。長い期間の案件でいまどこにいるかを共有したいなら図が向き、判断を早く前へ進めたいなら日程を区切る手順が向く。図に沿って進めながら、一部の局面だけを短期集中で処理することもできる。

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使いどころ

プロジェクトの全体像を関係者で共有し、いまどの段階にいるかを確認する枠組みとして使う。課題定義を飛ばして解決に走る事態を防ぐ道具としても参照される。

実務でのチェックポイント

  • いま進めている案件がどの菱形のどこにいるかを、関係者数人に別々に答えてもらう。割れるなら共有できていない。
  • 課題を定義した文を確認し、そこに解決の手段が混ざっていないかを見る。混ざっていれば探索の幅はすでに狭い。
  • 前の段階に戻った経験が組織にあるかを振り返る。一度もないなら、戻れない運用になっている可能性がある。
  • 発散で出た案を並べ、方向性ごとに束ねてみる。束が一つに偏るなら、前半の菱形はまだ広がり切っておらず、課題の探索を打ち切るには早い。

よくある誤解

四つの段階を順に一度ずつ通る工程表として読まれやすい。実際には、解決を試すなかで課題の理解が変わり、前の菱形に戻ることは珍しくない。戻ることを失敗と見なす運用にすると、課題設定の誤りに気づいても引き返せず、そのまま進めることになる。

もう一つは、発散の段階で出す案の量だけを追う読み方である。広げることの狙いは数ではなく、当初の前提から外れた選択肢に触れることにある。似た方向の案が並ぶだけなら、量が増えても視野は広がっておらず、続く収束の質も上がらない。

よくある質問

ダブルダイヤモンドの通りに進めないといけませんか?

型は判断をそろえるための道具で、遵守すべき規則ではない。実際の案件では行き来が起きるし、すでに課題が明確なら前半を短く扱ってよい。使う価値は、いまどの局面かを言葉にできる点にあり、順序を守ること自体にはない。

どの段階に一番時間をかけるべきですか?

課題を定義する局面に時間を置くと、後の判断が速くなる。ここが曖昧なまま解決に進むと、案の良し悪しを比べる基準がなく議論が長引く。かける時間の総量が同じでも、前に寄せるか後ろに寄せるかで手戻りの量は変わってくる。

小さな案件でも使えますか?

使える。規模が小さいほど各局面は短くなるが、課題を広げてから絞るという往復自体は成立する。数日の案件でも、最初の半日を課題の確認に充てるだけで、後半の議論の噛み合い方が変わる。図の粒度は案件に合わせて縮める。

この項目は、ブランディング支援会社 Highlite Inc. 編集部が執筆・監修しています。
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