ノベルティ
ブランド名やロゴを入れて無償で配る記念品・販促品。手元に残る接点として、認知や好意の維持をねらう。
意味
ノベルティとは、ブランド名やロゴを入れ、顧客や関係者に無償で配る記念品・販促品を指す。文房具やカレンダーなど、日常で手に取られる品が選ばれることが多い。
ねらいは、手元に残り繰り返し目に触れる接点をつくる点にある。広告のように一過性で消えず、生活の中で反復して想起される機会を、モノを通じて確保する発想である。
ブランドの観点では、ノベルティの質感やデザインがブランドの像を体現する。安っぽい品はかえって印象を損なうため、何を配るかはブランドらしさの表現として問われる。
成り立ち
ノベルティ(novelty)は「目新しいもの・記念品」を意味する語で、日本ではブランド名を入れて配布する販促品・記念品を指す語として定着した。手元に残り反復接触を生む点を活かした、古くからの販促手法の一つとして知られる。
ノベルティと割引プロモーションの違い
値引きは、買う理由の一部を価格でつくる施策で、効き目は取引の瞬間に現れて消える。ノベルティは、渡した後の生活の中で反復して目に触れることを狙う。効果が現れる時点が、取引の最中なのか取引の後なのかで分かれる。
積み上がり方も逆になる。値引きは繰り返すほど元の価格への納得が薄れる方向へ働くが、配った品は目に触れるたびに記憶の側へ積まれていく。同じ販促の費用でも、価格の記憶を削るのか、名前の記憶を足すのかという違いになる。
割引プロモーションの項へ →ノベルティとディスティンクティブアセットの違い
独自資産は、色や形など、見ただけで自社と分かる要素そのものを指す。ノベルティは、その要素を載せて持ち歩いてもらう器にあたる。載せる中身が定まらないまま器だけ配ると、名前は目に入っても誰のものかが結びつかない。
判断の順序としては、資産の側が先に来る。何を見せれば自社と分かるかが決まっていれば、配る品の選択肢は自然に絞られる。逆に品の選定から始めると、予算と流行で決まり、年ごとに見た目の違うものが増えていくことになる。
ディスティンクティブアセットの項へ →使いどころ
使いどころは、イベントやキャンペーン、顧客への謝意を伝える場面である。日常的に使われ、目に触れ続ける品を選ぶことで、認知や好意の維持につなげる。配ること自体が目的化し、ブランドらしさや相手の実用を欠いた品を配ると、印象を損なう点に注意したい。
実務でのチェックポイント
- 過去に配った品を挙げ、いま社内の誰かが実際に使っているかを確かめる。使われていないなら、社外でも同じ状態にある。
- 品を選ぶ会議で、予算と数量以外にどんな基準が語られたかを振り返る。基準が価格だけなら、らしさは偶然に任されている。
- 名前の表示を外した状態でその品を見て、自社らしさが残るかを試す。残らないなら、表示だけに頼っている。
- 受け取った相手がその品を使う場面を一つ特定する。思い浮かばないなら、渡した後に目に触れる機会も見込めない。
よくある誤解
配布数がそのまま成果として扱われやすい。受け取った人数と、その品が使われ続けた期間はまったく別の数字で、多く配っても引き出しに入ったまま出てこなければ接点は生まれない。数えるべきは渡した数ではなく、日常の中で目に触れた回数のほうになる。
もう一つは、実用性を優先するあまり自社らしさが消える選び方である。どこでも配っている品に名前だけ載せた形は、使われはするが誰から受け取ったかが残らない。使われることと覚えられることの両方が要るため、片方だけを基準にすると配る意味が薄くなる。
よくある質問
ノベルティに効果はありますか?
手元に残り、繰り返し目に触れる限りは働く。逆に言えば、使われずにしまわれた時点で効果は止まる。判断の基準を配布数ではなく、相手の日常に居場所があるかどうかに置くと、選ぶ品も配る相手も自然に絞られてくる。
予算が少ない場合は何を優先すべきですか?
数量より、渡す相手と品の質のどちらかを優先する。広く薄く配って印象を損なうより、限られた相手に長く使われる品を渡すほうが接点は積み上がる。安価な品しか用意できないなら、配布数を減らして質を保つ判断が先に来る。
実用品と記念品のどちらがよいですか?
目的で分かれる。反復して目に触れる接点を増やしたいなら日常で使われる実用品が向き、特定の出来事を記憶に残したいなら記念性のある品が向く。両方を一つの品に求めると、どちらの役割も中途半端になりやすい。