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定義

ブランドパーソナリティ

Brand Personality

ブランドを人にたとえたときの性格。誠実・洗練・力強さなどの人格が、共感と親しみの入口になる。

意味

ブランドパーソナリティとは、ブランドを一人の人にたとえたときに立ち上がる性格のことである。誠実・洗練・力強さといった人格的な特徴が、受け手にとっての共感と親しみの入口になる。

人は無機質な商品や企業よりも、人格を感じ取れる対象に感情を寄せやすい。パーソナリティは、この「人に接するような感覚」をブランドに与え、記憶と選好を後押しする。

ブランドアイデンティティが「何者であるか」の定義だとすれば、パーソナリティはその「振る舞いや語り口ににじむ性格」に近い。色・言葉・トーンなど複数の表現を貫いて感じ取られる。

成り立ち

personality は「人格・個性」を意味する語で、ラテン語 persona(仮面・登場人物)に由来する。仮面を通して現れる人となり、という原義が、そのままブランドの性格の比喩に重なっている。

ブランドを人格の次元で捉える研究としては、Jennifer Aaker によるブランドパーソナリティ次元の枠組みが広く知られ、性格を複数の軸で整理して論じる下地をつくった。

ブランドパーソナリティとブランドアーキタイプの違い

ブランドアーキタイプは、物語に繰り返し現れる人物像の類型を借りて性格を定める手法である。ブランドパーソナリティは、その結果として立ち上がる自社固有の性格そのものを指す。類型は選ぶための枠であり、性格は選んだ後に肉付けされる中身にあたる。

枠を選んだだけで終えると、同じ類型を採る他社と像が重なる。類型は出発点として判断を速くするが、その中で何を好み、何を許さないかまで書き込まなければ、固有の人格にはならない。どこまでが借りた枠で、どこからが自社の性格かを分けて扱う必要がある。

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ブランドパーソナリティとブランドアイデンティティの違い

何者としてどう見られたいかを定めるのがアイデンティティで、その像が振る舞いや語り口に出るときの調子を扱うのがパーソナリティである。前者は何をに答え、後者はどんな調子でに答える。定義の層と態度の層に分かれており、定義だけを揃えても、書き手ごとに調子が変われば接点ごとに別人に見える。

見分けたいときは、その記述が約束の中身に触れているかを問うとよい。顧客に何を提供するかを述べているならアイデンティティの側、その提供の仕方や語りぶりを述べているならパーソナリティの側になる。両方が揃わないと、正しいが顔の無いブランドか、感じは良いが何をする会社か分からない状態へ寄る。

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使いどころ

パーソナリティは、コピーの語り口、写真の温度感、応対の姿勢など、表現全体の一貫性を保つための共有言語として使われる。人格の像がぶれると、接点ごとに別人に見えてしまう。

ブランドアーキタイプやトーン&ボイスと組み合わせると、抽象的な性格を具体的な表現の判断に落とし込みやすくなる。

実務でのチェックポイント

  • 誠実、洗練、力強さ——選んだ語の反対を掲げて商売をするブランドが思い浮かばないなら、それは性格ではなく、誰も否定しようのない一般論である。
  • その人格が絶対にしないことを三つ挙げてみる。挙がらないなら、性格としての輪郭がまだ立っていない状態にある。
  • クレームへの返信文を読み、決めた人格の気配が残っているかを見る。ここで別人になるなら、人格は表現物の中だけに宿っている。
  • 採用ページで語っている自社像と、顧客向けに掲げた人格を並べて読む。求職者には気さくで、顧客には厳格といった具合に人が変わっていれば、どちらかが借り物である。

よくある誤解

人にたとえる作業が、好ましい人物像を並べる遊びに終わることがある。誠実で明るく前向きな人格は、誰にとっても感じが良い代わりに、誰の記憶にも残らない。性格が像として立つのは、短所と表裏になった特徴が含まれるときで、几帳面すぎる、遠慮しないといった振れ幅こそが判別の手がかりになる。

決めた性格が表現物の中だけで守られる、という偏りもよく起きる。広告の語り口は人格に沿っているのに、請求のやり取りや断りの連絡では事務的な別人が現れる、という状態は珍しくない。受け手にとってはどちらも同じブランドの振る舞いであり、地味な接点のほうが記憶に残ることも多い。

よくある質問

ブランドパーソナリティはどう決めればよいですか?

願望から選ぶより、すでに現れている傾向を拾うほうが定着しやすい。断り方、謝り方、細部へのこだわり方には、意図せず組織の性格が出ている。そこから言葉にすると、明日から演じ直す必要がなく、書いた内容と実際の振る舞いのずれも小さくなる。

商品ごとに性格を変えてもよいですか?

同じ名前で出すなら、変えられるのは表情までになる。相手や場面が違えば口調は変わってよいが、何を良しとするかまで変わると、受け手には別のブランドとして扱われる。性格ごと分けたいなら、名前を分ける構造の話に移ることになる。

BtoBでも人格の設定は要りますか?

必要になる。組織相手の取引でも、実際にやり取りするのは個人であり、判断には対応の感触が混ざる。むしろ接触の回数が多く期間も長いぶん、語り口の揺れは気づかれやすい。誰が担当しても同じ気配が残るかが、そのまま信頼の安定につながる。

この項目は、ブランディング支援会社 Highlite Inc. 編集部が執筆・監修しています。
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