— 01 —業界全体を上げるという選択
ブランディングテクノロジーとSolvvyが、住宅業界の価値向上を掲げて提携した。個社の勝ち負けではなく「業界そのものの信用を上げる」ことを目的に置く動きは、信頼の乏しい市場で近年よく見られる。
業界の信用が上がれば、そこに属する各社の商談は楽になる。個社が単独で不信を覆すのは骨が折れるが、業界全体の底が上がれば、その恩恵は全員に及ぶ。まず市場のパイを広げ、その中で戦うという発想は、成熟していない市場ほど合理的だ。
業界全体の底上げって、聞こえはいいんですけど、自社の輪郭がぼやける不安と表裏なんですよね。共通基盤に乗りつつ、自分たちらしさをどこで残すか——このさじ加減、悩ましいところだなと正直思います。
— 02 —と、いうことで。
この記事を読んだあなたが、もし業界共通の取り組みや標準化の波に乗ろうとしているなら、まず二段構えで考えたい。業界の信用を借りて商談の入口を広げること。そして、その内側で「自社だけの差別軸」をどこに立てるか。この二つは二者択一ではなく、同時に設計するものだ。まずは後者を一つ、名指ししてみよう。
共通基盤には乗ってよい。ただし乗る前に、乗った上で何を突き出すかまで決めておく。業界の一貫性は入口を広げる手段であって、そこで埋没しては本末転倒だ。今日の一歩として、自社が「この業界の中でここだけは違う」と言える点を三つ書き出してみる。借りる信用と、立てる輪郭。両方を手にして初めて、業界の底上げは自社の力になる。
◆ 経営がここから判断すべきこと
- 業界共通の信用づくりに乗るときほど、その中での自社の差別軸を明示的に決める
- 標準化はパイを広げる一方でブランドの埋没リスクを伴う。両面を天秤にかける
- 「業界の価値」と「自社の輪郭」は二者択一ではなく、同時に設計する