— 01 —ブランドのナレッジ
組織拡大期の最大のリスクは、意思決定の分散に伴う一貫性の崩壊だ。創業者が全案件を見られた時代の暗黙知は、人数が倍になった瞬間に再現されなくなる。
このときブランドの定義——何を選び、何を選ばないか——が明文化されていれば、それは各現場の意思決定を揃える共通のものさしになる。ブランドガイドラインの本質は表現規定ではなく、この判断基準の共有にある。
Sources · David A. Aaker (2014) Aaker on Branding
— 02 —この時期の動き方 — 課題解決方法例
◆ 実務の進め方
- 01.暗黙知を判断集にする創業者・古参が現場で下してきた判断を「迷ったらこう決める」の形式で文書化する。
- 02.権限とセットで委ねる基準を渡すと同時に、基準の範囲内なら現場が決めてよいと明示する。基準は管理ではなく委任の道具。
- 03.新入社員の初週に組み込むオンボーディングでブランドの判断基準を最初に渡す。文化は最初の一週間で伝わる。
- 04.例外を定期的に回収する基準で裁けなかったケースを集めて基準自体を更新する。生きた文書として運用する。
— 03 —他社事例
判断基準を組織の道具として整備した例。
▸ Highlite Works
ReAlice
Visionを策定するだけでなくプロダクトのUI/UXにまで貫通させ、日々の設計判断の基準として機能させた。
実績の詳細を見る(Highlite公式)→
一般には、行動指針を全意思決定の前提に置くAmazonのリーダーシップ・プリンシプルが、判断基準として運用されるブランドの例とされる。
— 04 —Highliteの観点
私たちは「ブランドは判断の一貫性である」という立場を取っている。組織拡大期はその真価が問われる局面で、ロゴやトーンの統一はあくまで結果にすぎない。問うべきは、創業者がいない会議室で、創業者と同じ方向の判断が下されるか。それを可能にする言葉の整備が、この時期のブランディングだ。
創業者がいない会議室で、同じ方向の判断が下されるか。— Brandri / Highlite editorial