— 01 —ブランドのナレッジ
顧客が価格で比べるのは、価格しか比較軸が見えないときだ。アーカーのいう「知覚品質」——実際の品質ではなく、顧客が感じ取る品質——が立っていない商品は、どれだけ中身が良くても価格表の上で戦うことになる。
逆に、価値観・体験・信頼といった価格以外の軸で選ばれるブランドだけが、値引き要求に対して「下げない理由」を持てる。価格競争からの脱出とは、安売りをやめる決意ではなく、比較のされ方そのものを設計し直すことである。
Sources · David A. Aaker (1991) Managing Brand Equity
— 02 —解決アプローチ — 課題解決方法例
◆ 実務の進め方
- 01.選ばれた理由の棚卸し直近の受注10件について「なぜ他社でなく自社だったか」を顧客の言葉で集める。価格以外の理由がそこに眠っている。
- 02.提供価値の言語化集めた理由を「誰の・何を・どう変えるか」の一行に凝縮し、営業資料・Webの冒頭に据える。
- 03.見せる証拠を揃える言語化した価値を裏づける事例・数値・プロセスを可視化する。証拠のない主張は値引き圧力に負ける。
- 04.下げない基準を決める「どこまでは応じ、どこからは断るか」を経営の判断基準として明文化し、現場に持たせる。
— 03 —他社事例
価値の言語化によって「価格以外の判断材料」を作った例。
▸ Highlite Works
Spacemole
事業の価値を言語化した上でロゴ・Web・検索体験までを再設計。「安いから使う」ではなく「探しやすく信頼できるから使う」への転換。
実績の詳細を見る(Highlite公式)→
一般には、コモディティ化した coffee 市場で「場所の体験」を売る側に回ったスターバックスが、価格競争の土俵を替えた古典的な例として知られる。
— 04 —Highliteの観点
私たちは、値引き圧力を「顧客からの質問」だと捉えている。『あなたを高く買う理由を教えてほしい』という質問だ。答えを用意していない会社が、価格で答えてしまう。ブランディングとは、この質問への答えを先回りして用意しておく仕事であり、その答えは制作物より先に、経営の判断基準として言語化されている必要がある。
値引き要求とは「高く買う理由を教えてほしい」という質問である。— Brandri / Highlite editorial